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レポートB、40才前後、メーカーさん。
第10回倉敷LIVEに参加して
平成13年6月7日のサテライト・シンポジュウム及び8日、9日のLiveDemo参加についてレポートいたします。
(6/7) 倉敷アイビースクエア フローラルコート
サテライト・シンポジュウムは(1)Distal Protection Device(2)Drug Eluting Stent (3)Debulking、Drug Delivery、Hemostatic−device の3つのセクションに分かれて行われました。私は仕事の都合上、(1)と(2)しか参加出来ませんでしたのでそれらについてレポートします。
まず、Distal Protection DeviceですがWoifgangAmann先生(University Hospital、Zurich)によるClinacalExperience Of PercuSurgeのご講演より始まり、坂井信幸 先生(神戸市立中央市民病院)のCurrent Status And PerspectiveOf Carotid Stenting、Kirk N.Garratt先生(MayoClinic)のProtecting The Microvasculature During PCIへと続きました。
Amann先生及びGarratt先生のご講演はいかにして微小血管を守りノーリフローの状態を回避するかについてであり、坂井先生のご講演はCarotid Stentingについての有用性および注意点、ディスタルプロテクションバルーンの解説等についてでありました。
PercuSurgeのシステムについてですが、GuardWireと呼ばれる先端にバルーンが付いたワイアーとThe Export Aspiration Catheterと呼ばれる吸引用のカテーテル及びMaicroSeal Adapterによって構成されています。操作性等の問題により主にSVGへのインターベンション、ステンティングに適しています。
GuardWireは.014インチのシャフトになっており、先端のバルーンを拡張し一時的に抹消をオクルードする事により狭窄部の拡張時やステント留置時に抹消へThrombusやDebrisが飛ばない様にプロテクトします。
バルーン拡張及びステント留置後、アスピレーションカテーテルにてThrombusやDebrisを含んだ血液ごと吸引したのちにGuardWireのバルーンをデフレイトし血流を再開させます。
これまでのスタディーでは90%の割合でParticulate MatterをMobilizedする事ができたそうです。
このシステムの限界としてはVery Distal Lesionが考えられますが、AMIにかんして言えばDistalにおいての発症の可能性は大変少ないので問題無いとの事でした。ただ、蛇行血管での使用は困難であるとの意見でした。
このシステムはすでに商品化されておりヨーロッパにおいて使用されています。
今年に入ってMedtronic Aveに買収され、現在はメドトロによって販売されています。
BalloonによるDistal Protection Deviceについては坂井先生より国産のカネカのTRANVASのご紹介もありましたが、基本的コンセプトはPercuSurgeとほぼ同じでした。
Balloon&Aspiration Systemの他にはフィルター付きDeviceの使用によりDistal Protectionする方法があり、それらのDeviceとしてAngioGuard(J&J Cordis)やEPIのSystem(Boston)等も紹介されてありました。
坂井先生及びGarratt先生のご講演によればBalloon&AspirationとフィルターのSystemにはそれぞれ長所、短所があります。
B&A Systemの長所としてはかなりの量のDebrisが取れる事、GuardWireの先端Balloonの加圧、陰圧により血管を遮断するのに容易である事(Systemの操作が比較的容易である事)などが挙げてありました。
短所としては術中に血管を完全に遮断するわけですから抹消への虚血状態を作ってしまう事です(これはDistal Protectionを行う上でのジレンマでもあります)。
フィルターのSystemは抹消にDebris等が飛ばない様に保護しながらもフィルターを透して血流をある程度確保できると言う長所がありますが、短所としては血管に密着させにくい(Balloon Expendではないので径の選択に細心の注意が必要)事及び血管に密着させた後はスパズムを誘発し易い等の事が挙げてありました。
Garratt先生のご講演ではノーリフローへのDrugとしてVerapamil,Glycoprotein b/。a Receptor Blockadeの使用が有効であるとの事でした。
8日のLive中にEberhard Grube先生によるレクチャー(New Concepts In PCI:Coronary Stent Graft)があり、その中でもStent GraftをSVGに使用する事によりDistal Protectionすると言う説明がありました。
現在Stent GraftにはBalloon ExpandableのJOMED Stent Graft(Jomed)とSelfExpandableのSymbiot(Boston)があり、それぞれヨーロッパにおいて販売されています。
SVGに対するインターベンションにおいてWall StentとStent Graft、及びPercuSurgeの使用によりそれぞれの術中のCPKの上昇率を調べたところ、Wall Stentが10%、Stent Graftが4%、PrecuSurgeが3.7%でありStent GraftはPercuSurgeとほぼ同等の成績を残したそうです(残念ながらそれぞれのnの数をメモ出来ませんでした)。
次にDrug Eluting StentについてですがEberhard Grube先生(Heart Center Siegburg)のUpdate On Coated Stent Researchから始まり上妻 譲 先生(帝京大学付属病院)のClinical Data From Cordis Rapamycin Coated StentTrials、Ian M Penn先生(The University Of British Columbia)へと続きました。
Grube先生のご講演では以下の事柄が印象的でした。
In−Stent−Restが来やすい症例としてはDiffuse Disease、Small Vessel、Poor Run−offが挙げられ、再狭窄の形態はRecoil&Remodelingが70%、Neointimal Hyperplediaが30%である事。
CordisがRAVEL、SIRIUSと言うトライアルを、BostonがTAXUSと言うトライアルをそれぞれ行っている事。
BostonのCoated StentにはQuanam Drug Eluting StentとNir Paclitaxel Coatedがある事。
Bare Metal StentとBiologic Stentの比較スタディーが進行中である事、等です。
Quanamはポリマースリーブを有するためにサイドブランチオクルージョンが4例あった事も報告されてありました。
上妻先生のご講演は更に興味が沸くお話しが多かった様に思えました。
Rapamuneは免疫抑制剤であるので細胞を殺すわけではなく活動を抑えるだけなので非常に生体に優しいDrugであり、半減期も長い事。
Rapamycin Coatedは滅菌時及びステント拡張時にもコーティングが割れない(剥がれ落ち難い)事。
BX VelocityにはDrugのFast ReleaseとSlow Releaseの2種類のCoated Stentがある事(Slow Releaseは外側にさらにコーティングがありDrugのReleaseを意図的に遅くする)。
Rapamycinは動物より人間に対し、より効果がある事(人間固有の因子が見つかったとの事です)。
4ヶ月、6ヶ月のRestudyでRestenosisはゼロである事。
Fast Release、Slow ReleaseのLate Lossはそれぞれ0. 11%と0.55%であった事。
3−D IVUSによればネオインティマは1%しかはっていない事。
エッジエフェクトも無い事。
サンパウロでの12ヶ月後のフォローアップでもRestenosisが0であった事。
ただしFibrin様の物質の沈着等により再狭窄が全くなくなるわけではなく、それでも5%以下となる事などでした。
MASEは1年で5%程だそうです。
Penn先生のご講演はPC PolymerによるCoated Stentのお話しでした。
(6/8~9)倉敷市民会館におけるLive Demo。
Live Demoは私のブースデューティーの関係上、全てを見れたわけではありませんので
見れたなかで印象に残った事をレポートいたします。
ロータブレーター施行中の光藤先生のお話しによりますと、倉敷中央病院ではロータ後のStentingは50%程である事。
小血管、石灰化がかなり強く、又Barのみで終われるケースはStentingは無しとの事。
バーアーテリーレシオは0.9程度が良いのではないかとの事。
ノーリフローの状態にはシグマートが有効であると思われる事。
又、今回のLiveでIn−Stent−Restenosis及びRCA入口部の99%狭窄に対しエキシマレーザーを使用されてあったと思います(はっきりと確認出来ず、つい“思います”と書いてしまいました)。
以上が私の倉敷Liveに対するレポートです。
業者の私でも、参加させていただいて大変勉強になった有意義なシンポジュウム及びLive
でした。