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○○です。    関連画像39集を参照してください。

皆様、またお知恵をお借りしたいと思います。
59歳男性、10年前にLADのOMIで3VDのためCABGされている患者さんです。
LITA-D1, SVG-LAD, SVG-4PL, SVG-4PDです。
現在、symptom freeですが、TMT 8METsでST低下するため7年ぶりにカテしました。
RCA1:50%, RCA2:90%, RCA3:total, LAD:90%, LAD7:total, LCx11:75%, LCx12:90%,
LCx13 prox.:90%, dist.:subtotal, LITA-D1(anastomosis):90%, SVG:ectasia with
sever slow flow という患者さんです。D1(nativeから), LCxはPCI行おうと思うので
すが、10年選手のSVGはどのようにお考えですか?young ageであり、この先SVGが
occludeするとtrombus richでどうしようもないAMIになりはしないかと危惧されま
す。このSVGをどこまで信用してよいものか分かりません。うちの心外のDr.も”10年
はもたないだろう”と言われます。いまのうちにCTOを開けておいたほうがよいので
しょうか?しかし、その場合はSVGはocclideするのではないかと思います。ちなみに
閉塞長は<10?程度ではないかと読んでいます。
いかがでしょうか?御指導宜しくお願いいたします。
尚、LCxについては明日、PICする予定です。

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○○です。

○○先生の症例に対するresです。
今回のtarget of ischemiaはLCXでしょうからnative LCXをPCIするのは問題なし
でしょう。D1に対してですが、近い将来LADをPCIしなくてはならないのであれば
nativeからPCIしますが、そうでなければLITAからD1吻合部をPCIします。Native
からD1を広げるとLITAは閉塞するかもしれません。LITAを簡単につぶすのは血流
の供給源を1本減らすため損だと思いますし、LITAからのPCIは簡単ですし結果も
悪くない(データは持ったませんが)と思われます。
近い将来LADをPCIするなら、というかそれに近い状況ならCTOの状況ができる限
り簡単な時にしたいので今すると思いますが、native をあけてD1前後にはステ
ントが入ってD1も拡張します。D1はLITAでという意見があるかもしれませんが、
CTOの先のflow areaを確保することが非常に重要と考えますから(partial
branch salvageだとreocclude rateが高いというデータを発表しました)D1は
nativeからflowさせようと思います。

以上が僕の意見です。SVG bodyが見えてないのでSVG-LADをPCIするべきかどうか
は判断できません。

SVG自体に関しては以前○○先生と議論した?と思うのですが、僕はSVGの慢性期
成績が皆が言うほどは悪くない、と今でも思っているのですが。大事なのはSVG
の造影でそれがそこそこだったらある程度信頼してもいいと思ってます。

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○○です

○○先生 お久しぶりです
なかなかこの症例もまた難渋な症例ですね
nativeもかなり悪いし、SVGもいつかは閉塞しそうですしね
でも、もし治療するならば思い切ってnativeを完全に治療した
方がいいかと思います
その際SVGのは閉塞すると思いますが、今のうちにnativeを
一度治療するほうが後々の戦略も楽かと思います
しかしballoon、Stentはいったいいくつ要るのやらって感じですね
がんばって下さい

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○○です。
先々週、Coronary RuptureをJOSTENTでBailoutした症例を報告しましたが、本日その確認カテを施行しました。見事にJOSTENTのProximalから完全閉塞しており、がっくりと肩を落としました。もともとLCX優位なので、心エコー上もAsynergyは確認できなかった程度なのですが、、、、、完全閉塞とは。いやはや。

○○先生の症例ですが、「症状なし」といったところが気になりますね。PCIも大変そうで(寝た子を起こしそう?)、患者さんへの説明に気合が入りそうです。

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○○です。

○○先生、Jo後の抗血小板はどうしてました?アスパナは入ってないとつまりや
すいそうですよ。

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○○です。

穴あけた後だったので、なんとなく心情的に、抗血小板剤やっとらん(投与していなかった)だったんですよ。せっかくJOいってるんだから、投与しておけばよかったんですが、、、。反省しています。

出入りしている業者の話によれば、「JO後の血栓性閉塞は50%位」、と恐ろしいことを言っていました。そんなこともあって、先日DCAでLAD破ったんですが、その時はバルーンで粘ってJO無しでなんとかBailoutしました。
近頃、冠動脈をよく破ります。ツキにも見放されているようで、週末、熊本市内の加藤神社(加藤清正を奉る神社ですよ)に御払いにいってきます(笑)。ご利益はあるでしょうか?

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○○です。
皆さんいつもいつもすばやいresありごとうございます。

> SVG bodyが見えてないのでSVG-LADをPCIするべきかどうかは判断できません。
> SVG自体に関しては以前○○先生と議論した?と思うのですが、僕はSVGの慢性 >
期成績が皆が言うほどは悪くない、と今でも思っているのですが。大事なのはSVG
> の造影でそれがそこそこだったらある程度信頼してもいいと思ってます。

SVGはbodyも一貫して狭窄はないもののectasicでsever slow flowです。
自分自身経験したことがないのですが、SVGのthrombus rich AMIは大変だと聞きま
す。しかし、それってどんなSVGがoccludeするのでしょうか?やはり狭窄を有するも
のなのでしょうか。それともectasia with slow flowが効いているのでしょうか。も
し後者なのであれば○○先生の言われるように今のうちにnativeを通しておいたほう
がよいのかなぁ?と思ったりもします。やはりこのSVGにeventが起こるとすれば
occludeではないでしょうか?一方、nativeのCTOを開けておいて起こるeventは
restnosisとして捕らえられそうな気がします。僕個人としては理論的にはnativeを
開けておくほうがよいのではないかなぁ?なんて気がちょっぴりします。
いかがでしょうか?

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○○です。

僕自身はSVG-AMIは作ったもの以外は経験していません。あまりないようにも思
います。つまりこの狭窄のないSVGがいきなりMIになる可能性はそれほど危惧す
る必要が内容に思いますがいかがですか?
何症例かSVGをつながれて問題がない時点でnativeを空けにいって、結局再狭窄
が繰り返された例も経験しています。病変がないのに今治療する必要はないとも
います。

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○○です

うちでも以前にCoronary Ruptureの症例にJOSTENTを留置して
事なきを得ました ElectiveでLADだったんで 再狭窄を恐れていたんですが
幸いにもFollow upは綺麗なものでした
JOSTENT自体の再狭窄ってどれくらいなんでしょうか?
しかしCoronary Ruptureの場合はとりあえず止血することが大事だし
まずはrecoveryすることが重要だと考えます

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○○です

○○先生の意見には賛成です
SVG-AMIはうちでは比較的綺麗なSVGに起きてるような
気がします
old SVGの狭窄に手を出してえらいめにあったことは多いので
old SVGで虚血がある場合はnativeを治療できないかと
いつも考えます 当然PCIには再狭窄の問題はつきまといますけどね
○○先生の症例の場合はLCxのPCIとLITA-D1の狭窄が問題に
なるならnativeを治療したほうがいいのでは思いました
データーはないですけど・・・

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○○・まだまだ時差ぼけ です。

そう言えば、SVGは昔、○○先生と話題になったことがありましたね。

私も、無症状・客観的虚血所見なしで、SVGが開存しているのに、nativeを開けにい
く必要はないと思います。
(誤解の無いように申し添えると、普通のLAD CTOなら、症状・客観的虚血所見など
関係なく、もちろん、可能な限り開けに行きます)。CTO開けといっても、再狭窄以
外にも、穿孔・LMTの解離・造影剤による腎障害など、急性期合併症のリスクはゼロ
ではありませんから。何回か、詰まりかかったグラフトから対側造影してnativeを開
けに行ったことがありますが、特にLADの場合、seg8のところで、吊り上げて吻合す
るクセのある外科医の作品だと、いくら対側造影で映っていても、LAD末梢が本来あ
るべき走行から捻じ曲がっているので、テクニカルには、中枢側からtrue lumenを
拾っていくのが、なかなか難しい印象があります。

IVUSですが、ウチでも最近、高頻度にやるようにしています(その分、5Frが減って
います。○○先生ごめんなさい。)。今日も、dominant LCx13の50mm位のCTOを、7Fr
・rt TRIで○○先生と開けていて、ワイヤクロス後、CTO末梢にさらにあった狭窄を
バルーニングしたにもかかわらずflowが悪く、hematomaかな? と議論していたので
すが、何だかんだ言っているより、IVUS突っ込めばわかるよね、という結論に、す
ぐ、なりました。幸い、hematomaではなく、解離+左房枝からのcollateralによる吹
き消しだったようで、stentingで何なく解決しました。

ところで、○○先生、PCRは、すごいIVUSブームでしたね。びっくりしました。drug
elutingになると、sizingやcoverする範囲に、普通の「POBS」(今回のPCRで登場した略
語で、Plain Old Bare Stentingのことです!)より神経を使うようです。でも、折
角IVUSあけているのに、preでは殆どつかわずに、もっぱらpostでステントの広がり
だけ見ているのには、ちょっと?でしたが・・・

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○○ です。

この時間にバンバンメールが来るのは時差ぼけのためなんでしょうね。その分朝
がつらい...

PCRのIVUS、多かったんですね。僕はこれに関しては感覚が麻痺してるので多分
正確な評価ができないんです。で、DESは位置決めがって言ってたのを聞くと自
己満足ですが僕のやり方は合ってたな、なんて思っちゃってました。ほらみんな
僕の真似してる、なんてね。←言い過ぎか。
ただ会場のアンケートではやはりあまりしないっていう結果だったようにも思い
ました。

SIRIUS 400のrestenosis caseにはproximal edgeが多くて、どんなIVUS所見だっ
たのか、IVUSつかったら restenosis 0 hypothesisはまだ続く可能性があるのか、
ここが非常に興味深いです。

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○○です。

私も、PCRに行く前、“花咲爺さん”が2例つづいて、ちょっと落ち込みました。どち
らも軽症で、短時間のバルーニングで止血できました。自分の経験では、ヘパリンを
リバースして止血するわけですが、何分間か観察して、止まったと自信がもてたら、
また半量くらいヘパリン投与するようにしています。1年前になりますが、MLの位置
決めのとちゅうで、前拡張のみでお婆さんのLADを破ってしまったことが判明し、結
局そのMLと、“JO前”の時代だったんで、さらに内側からS6をいれて止血したこと
があります。でも、リバースしたまま経過をみていたところ、15分すぎたあたりか
ら、ステント内に明らかな陰影欠損がみえて、あわてて、そっとバルーニングし、ヘ
パリン再投与して事無きを得た経験があります。

みなさん、穿孔して、止血したあとのヘパリンや抗血小板剤は、どうしていますか?
 私は、ヘパリン半量再投与&アスピリンが原則です。また、穿孔した際の止血が、
たとえワイヤによるものでも困難になるので、パナルジンは、原則、ステント植え込
み後から投与です。なんかの理由で投与されているひとでは、可能なら、パナルジン
のみ1週間やめてから、アスピリンだけの状態にしてPCIしてます。

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○○です

加藤清正は確か...の名人ではなかったのでは?  かえってシャープに突き刺さり破れる心配はないでしょうか.....もしかして朝鮮でトラ(トラネット)を退治したこともあったような.......べつな神社にされた方がよいのでは...と北国から心配してます。

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○○です。

なるほど、○○先生の説にも一理あります。
○○先生、名前が加藤神社だからといって、CTO堀りがうまくなった
りPerforationが少なくなるとは限りません。トラは退治される運命かもしれません。

それならと、トラを守る神社がないかと検索しました。
阪神タイガース関係を除くと、以下のWeb siteに誰かが作ったトラ神社が存在し、毎
週内容が変わるおみくじがあるようです。
私は”吉”でしたので、今週もサクサクやろうと思っています。
もし、”凶”でも出たら、その週のCTO堀りはやめようかなあ?

http://members.tripod.co.jp/kazenotoraou/omikuzi.htm

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○○です

LCXについてはそのままPTCA、LITA-D1吻合部はやはりLITA経由がベストと思います。
SVG-LADに関してはそのままでよいのではないでしょうか。仮にLAD-CTOを開通させた
場合にはSVGは早期に簡単に閉塞する可能性があるでしょうから、LADが再狭窄を繰り
返した場合のことをかんがえるといまはそのままで良いと思います。ところで閉塞前
後のLADの径も問題と思われますが如何でしょうか。それなりに太そうであればCTOに
手をつけてもよさそうな気もします。その際にはLADの太さとともに閉塞長にも依存
すると思いますが、それなりに大きいD1ですのでD1はLITAからの血流で良いと思いま
す。ところでLADはいつから詰まっているのでしょうか、10年前からでしょうか?

SVG-AMIは5例しか経験がありませんが、1例はせっかくcollateralで出ていた末梢
もslow flowになってしまいました。1例はdistal protectionしたのですがやは
りflowは出ませんでした。このような太いSVGではprotection device を使ってもど
んなものかなと想像しています。こんなSVGだったらみなさんwarfarinは使っていま
すか?うちでは使っています。

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○○です

最近、あの某SK総合病院 S先生もIVUSを使いまくっているとの噂がありま
す.....。ところで4月以前にはIVUSをあまり使ってなくて4月以降にIVUSを使いまくっ
ている先生がいたら聞きたいのですが、デバイスの使用本数は減りましたか?
それともIVUSみてpostのballooningが増えたりしてということはないですか。

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○○です。

> 穿孔した際の止血がたとえワイヤによるものでも困難になるので、パナルジンは、
原則、ステント植え込 み後から投与です。なんかの理由で投与されているひとで
は、可能なら、パナルジンのみ1週間やめてから、アスピリンだけの状態にしてPCIし
てます。

○○先生の御意見に賛成です。恥ずかしながらワイヤー穿孔のために、せっかく開い
たCTOをまた閉塞させざるを得なかった経験があります。パナルジンは出血すると
厄介な薬です。

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トラ神社では大吉でした。よっしゃーと大人気なく叫んでいる自分が
結構好きだったりします。やめときゃいいのにもう一回引いたら
今度は小吉で後味わるーって感じです。PCIに似てたりしてます。
こういったネタは好きです。

さて私こと
この度○○病院を退職し、6月1日付けで
かねてから声を掛けて頂いてた○○病院に
転勤することとなりました。<中略>
○○では循環器科科長としてカテ室を任されます。心外もありません。
わからないことだらけと思います。久しぶりTRIをやれることは確かです。
週1の研修もOKと聞いていますので、TRA-netの先生方の施設に是非研修に
伺いたいと思います。今後とも宜しくお願いします。

移ってすぐからW杯モードに入ります。どこか横浜界隈のスポーツバーで
よっしゃーと大声を上げて大盛り上がりしたいものです。
以上移動のご報告でした。

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○○です。

○○先生、神奈川へようこそ。心から歓迎いたします。
W杯で大騒ぎな状態ですが、どっかで一席設けますのでどうぞ宜しくです。>DMしま
す。

さて○○先生のメールは大変教訓になりました。さすがに幸いにも僕はJoの御世話に
なった事はありませんが、結果的には抗血小板剤は必須だったのですね。ムンテラの
その後を今度教えてください。

今週末はTCC(旧慶應ライヴ)ですが、ご参加の先生はおられますか?○○先生はコメ
ンテーターにお見えのようですが。

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○○です。

本日、LCxへPCIをtryしたのですが、LCx12の病変が思いのほかtightでありMiracle3
でなんとかcrossしましたがballoonnが通過せず断念いたしました。そこでご相談で
すが、今後、の治療方針としてPCI re-tryもしくはCABG re-doまたはその他の治療方
針を選ぶべきなのでしょうか?宜しくお願いいたします。

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balloon crossしなかった際のガイドのシステムやワイヤ、使用バルーンはなん
だったんでしょう?教えてください。
改良の余地があれば当然PCIを続けます。

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○○です。

PerforationはPCIの永遠のテーマですよね。無理に拡げたり、削ったりするわけ
ですから絶対になくならない、さらに誰でも絶対に経験する合併症ですから。

で、その対処法が違いますよね。実はうちではヘパリンのリバースは最後の最後
までしません。というのは加藤先生のやり方(今は知りませんが、前はこうでし
た)がそうで、それで本当うまくいくからです。さらに今はJoもありますよね、
そうなるとさらに血栓の問題のほうが重要になります。普通に破ってしまった時
=すごいblow-out typeでないとき、はバルーンで長めに拡張して止血できたらそ
こそこproximalならIVUSしてどこからどう破れているかを観察し、ステント(普
通の)を入れたほうが圧迫止血できそうならステントを入れます。IVUSで
perforationはきれいに見えますよ。ぱっくり裂けてます。その方向が心筋方向
かどうかが最も気になるところです。
Joを含めステントが入らなかったらヘパリンは止めてますし、パナルジンも当日
は飲んでません。でも翌日からはパナルジン再開です。←元から服用してたら1
日だと無意味でしょうね。でもうちもパナルジンは基本的には術後からなんでそ
の場合は当日だけはパナルジンなしです。でも翌朝までに出血しなかったら僕の
経験、結構破いてますけど、からも起こった出来事からも、もう大丈夫と判断し
ています。
Joや他のステントが入って、大丈夫と判断した時は通常通りにしてます。ヘパリ
ンも行きますしアスパナも行きます。

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○○です。

グラフト2本、特にLITAが開存している状況で、現在の臨床所見で、re-CABGはリスク
に見合わないと思います。medicalか、re-PCIか、患者さんの意向によると思いま
す。

re-PCIするとして、バルーン不通過例に対する戦略ですが、昔、一度ネタになったか
と思いますが、新しいメンバーの方も増えたので、繰り返しになるかもしれないので
すが、今の自分の引出しをご参考に供したく存じます。今日の、ガイドの種類とサイ
ズがわからないのですが、6Fr/TRI/JLだったとすれば、もちろん、いいバルーンは試
されたでしょうから、一般的には
1)6Frで、EBUかALを使う。
2)EBUかALを使っていたのであれば、カーブを大きくしてこじ入れる(例えば、
EBU3.5→4.0など)。こうすると、tipがよりダイレクトにLCXに向きます。
3)カテの口径をアップする。radialが細ければ、TFIで。
などがあろうかと思います。それ以外には、

4)short lesionでslow flowのリスクは少ないので、認定施設なら1.5mmOTWを病変
に押し付けて、miracle3を一旦抜き、rotafloppyでリクロスしてrota。リクロスは、
意外に簡単ですし、ガイドは6Frのまんまで、可能ですし、rotaが使えるところな
ら、一番簡単でしょう。

5)rotaが使えず、どうしても通したければ、アバンギャルドな方法ですが、LADが
幸い(?)CTOです。正式名称は知りませんが、玉井先生が発案されたというエピ
ソードから、当院で言う所の“滋賀方式”の応用がきくと思います。“滋賀方式”
は、本来、同一血管の遠位部CTOと近位部でおこなうものですが・・・。つまり、7
Fr以上のガイド(できればEBU)を挿入。miracleでLCxをクロス。もう一本、BMWを
1st major septalに入れる。1.5mm・hypotubeのpushabilityのよいSOEバルーンをLCx
直前まで持ち込む。4.0-10mmのSOEをLAD6に入れ6気圧くらいで拡張しシステム全体を
固定。その状況下でLCxの1.5mmバルーンを押す。
これで、大概、何とかなるかと思います。

6)あと、古いやり方ですが、“匍匐前進スタイル”と勝手にいっていますが、病変
でつかえたところで、1.5mmを広げ、システム全体を押し付けた上で、助手の先生の
デフレートと気合を合わせて、ワイヤを気持ち引きながらバルーンを押すと、その瞬
間に通ることもあります。

いかがでしょうか?

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○○です。寝ようとおもったんですが、このメールを読んじゃったんで、レスしない
わけにはいきません。

ステント優先・ヘパリンリバースせず、という加藤先生の方法は、はじめて知りまし
た。鈴木先生の、ヘパリンリバース・超低圧長時間拡張というやり方とは、対極です
ね。去年のCTO研究会でも、穿孔がありましたが、鈴木先生が術者をされていたこと
もあってか、加藤先生は、あまり、このやり方には触れられていませんでしたが・・

私は、このところ、鈴木先生方式で何とかなっているんですが、昨日書いた、1年前
のお婆さんの穿孔処理では、まさに○○先生と同様の印象を持ちました。LAD7で、
3.0-15のML plusの位置決めをしているとき、単なる前拡張に起因する、すごい
blow-out が発生しました。jet!! でした。ガイドが5frだったこともあり、大穿孔に
加えて、MLを戻そうとしてLMTに脱落させてしまうと、recover不可能になりますか
ら、とりあえず、そこにいれよう、ということで、6気圧くらいで植え込んだら、出
血は減りました。その後、ヘパリンはリバースしたんですが、たまたま3.0の
perfusionが手元になかったので、バルーンによる超低圧長時間拡張はST↑↑のため
できず、blow-outは止まらず、悩んだ末にMLの中からS6を重ねたら、程なく、あっさ
り止血しました。たまたまうまくいっただけかとも思っていましたが、“冠穿孔にス
テント植え込み”、これは一つの確立されたやり方だったんですね。

止血に一番有効そうなステントはなんですか? つまり、JOがある今は、いきなりJO
ですか? それとも何か一般品を試しますか?
また、植え込み圧はどのくらいでしょうか?
心筋側か、心外膜側かで、どうスタンスは具体的にはかわるのですか?
よろしく、ご教示ください。

ところで、パーフュージョンバルーンは、冠穿孔処理くらいしか、一般的には出番が
無いので、ことの真偽はしりませんが、一部で、貸し出し在庫をやめる、といった噂
を耳にします。製造についても、長期的には?かもしれません。ウチには、もちろん
おいてもらっていますが、みなさん、いかがですか? 滅菌切れになるまえに、通り
そうな一般症例でもつかって、滅菌切れを避ける、といった私たちの協力も必要です
が、PCIから十分な利益をあげているはずのトップメーカーさんたちのスタンスも問
われていると思います。

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○○です
転勤後2か月を経過しました

田舎でちょっとのんびりできるかと思いましたが、
けっこう忙しく働いています

○○先生、先日の壮行会には出席できず残念でした
熊本は遠いです・・・

カテラボが順調に立ち上がり、
先生のご活躍をnetで拝見できるのを
楽しみにしております

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○○です   ○○先生へ;

心筋側であればステントがより有効でそうでない場合はover sizeを入れたときに
はより出血が増強する可能性もあるということですか?

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○○です。
○○先生、先生がいなくなるのは辛いです。
でも、がんばってください。がんばります。

で、perforationにstentですが、stent置いちゃうと穴が大きくなる気がしますがど
うして止血できちゃうのでしょうか。IVUSなどの所見からどう考えられるか教えてく
ださい。この時のstentの置き方(サイズ・拡張圧にコツがありますか?)。ちなみ

私が以前破ったときはperfusion でlow pressure, long inflationしましたが、確実
性ではstentなのでしょうか。もし、stentいれて出血がひどくなるような経験があれ
ば教えてください。

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最近は動脈ステントにはまっている、○○です。

うまく行った大動脈ステントに味をしめて、腸骨動脈瘤にたいしてカバードステント
(PASSAGER:ボストン)を留置しました。僅かに径はアンダーサイズだったのです
が、このステントは留置した後も血管の中で近位、遠位のどちらにも簡単にずれま
す。今回、長さ60mmと長さ40mmのステントの端を重ねて留置しようと試みた
のですが、2つ目のステントを留置するために最初に留置したステントの中に大腿動
脈側からシースを持って行こうとすると、ステントがシースに押されて中枢側にずれ
てしまいました。全く予想していなかったので、10mmぐらいずれたところまで気
づきませんでした。どうしようかと考えて、押してずれるのなら引いてもずれるかも
知れないと思いオクルージョンバルーンをステントの中で膨らまして引いてみたら、
簡単にもとの位置に戻りました。再度、オクルージョンバルーンで一つ目のステント
を押さえながらシースをステントの中に持って行き二つ目のステントを留置しまし
た。PASSAGERを使用される機会があれば【ずれる】ことを思い出してくださ
い。簡単に終るつもりが、えらい目にあいました。

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○○です。
移動してしばらく脳神経外科からほとんど神経内科になっていますが、
時々、4月よりおいでになった循環器の○○先生と一緒に
頭と心臓を同時にさせていただいております。

 さて、ずれるステントの件ですが、○○先生大変だったみたいですね。
私も実は同じような経験があります。
以前B社のW○○○stentを、発売された直後にさっそく使ってみたときのことを思い
出しました。
新発売のために待機していた頸動脈高度狭窄例に使ったのですが、
Post balloonをシースに挿入している間に、最初のリリース位置より拍動に呼応する
かのように、
見事に落下しまして(7mm程)・・・、苦労したことを思い出しました(>_<)。
(最終的には神経脱落症状無く目的を達成し終わることが出来たのですが)
それまでは、胆管用をサイズに合わせて切って使っていたのでこのようなことはな
かったのですが・・・
確かに切るという手間が必要が無くなり、”Easy”になった分、
拡張力が”Weak”になったように感じるのは私だけでしょうか・・・?
しっかりポストをした後には、今までのケースではその後のズレはないように思いま
す・・・

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確立はされてないと思います。去年の北光ライブの症例として出したのですが、
皆そういうこともあるけど、って感じでしたし。ただ僕は先に書いたとおり心筋
方向のある程度proximalのperforationでは最近はどちらかというとステントを
おけるなら置いています。
○○先生への答え:ステントで止血の可能性が高いのは近位部で血管周囲組織が
あってステントで圧迫・圧着できるときだと考えます。逆にLADのdistal、Dx、
LCX RCAのsulcusから離れている部位は周囲に組織がないからステント入れても
全くダメかもしれません。ま、そんな部位は血管径自体がステント適応でないこ
とがほとんどだと思いますが。あまり高圧をかけると裂け目が広がるかもしれな
い、という不安はあります。だから16atmなんて高圧はかけません。少なくとも
最初は低圧からです。
>
> 止血に一番有効そうなステントはなんですか? つまり、JOがある今は、いきなりJO
> ですか? それとも何か一般品を試しますか?
> また、植え込み圧はどのくらいでしょうか?
Joは再狭窄の問題がありますから、できる限り使わないほうがいいと思います。
バルーンで止まるものなら、バルーンで止めて少しぐらい瘤になったって慢性期
破れたやつはありませんからまず大丈夫だと思います。慢性期の瘤の壁を見ると
分厚くなってますから。
だからJoはblow-out専用です(他に2例 openしているSVG troubleで塞ぐために
使用した例はありますが、perforation対策ではblow out onlyです)。

> 心筋側か、心外膜側かで、どうスタンスは具体的にはかわるのですか?
> よろしく、ご教示ください。
心筋側のほうがblow-outにはなりにくいとは思います。でもこれは良く考えれば
perforation前に重要な情報ですね。Perforation後にJoをいれずに対処できて
IVUSを見れるんならたとえ心外膜側が破れていても血管周囲組織が多いというこ
とでしょうからステント入れても大丈夫ということになると思います。IVUSでは
血管周囲組織がどれほどあるかは分かりません。この点に関しては結局location
がsulcusに近いかどうかが決定因子だと考えます。

○○先生、穴が大きくなることはよほどoversizeや高圧で拡張しないと大丈夫と
思われます。ただし、そのリスクを念頭には置いてますが。

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新参者の○○と言います。

穿孔が話題になっていますが、ここで質問があります。

当院では、待機的PCIの時は、全例アスピリンとパナルジンを可能な限り術前から(だいたい5日間くらいは)投与していますし、また、ACSの時も、アスピリンとプレタールを術前に内服させてからPCIをすることがほとんどなんです。でも、穿孔のriskを考えると、やっぱりパナルジンは術後投与がbestなんでしょうか?パナルジンが利きだすまで4-5日くらいかかりそうですし冠閉塞がなんとなく不安な気がしてしまうのですが。。それとも、POBA・stent・DCA・ロータブレーターなどデバイスによって穿孔のriskを考えて投与を使いわけているのでしょうか。

聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥。をモットーにしています。。。
すごく基本的な質問のような気もするのですが、是非とも教えてください。
よろしくお願いします。

*************************************

○○です。

僕はアスピリンは術前から、パナルジンはステント後から、にしてます。それで
後悔したのはIVUSをしなかった低心機能例でSATで亡くなられた1例のみです。だ
からここが詰まると死ぬってはっきりしている様な症例はパナルジンを入れたほ
うがいいかもしれませんが、それでもIVUSでちゃんと評価すればアスピリンが入っ
ていれば大丈夫って思っています。←現時点では。

*************************************

○○です。

投薬方針については、私もまったく同意見です。自分が生涯忘れられない症例は、
u-APのad-hoc PCIの際、choice PTが、屈曲したLAD末梢を縦に裂いてしまい、その穿
孔が、どうしても止血できず、後手後手にまわってしまって、初めてコイルエンボリ
を余儀なくされたケースです。脳梗塞の既往があって、パナルジンを、PCIまでずっ
と投与されていました。

パナルジンの術前投与が、ステント植え込みに伴う冠動脈イベントやSATを、術後か
らの投与に比較して、有意に抑制することを示した研究はないように思います。

どちらを選ぶかは、各人の選択だと思いますが、私は、穿孔を止血できる状況のほう
がずっと意味があると思います。それに、大穿孔って、結構、シンプルな症例で、突
発的に、いろんなことが重なって、起こるような印象ありませんか?

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○○ です。

PerforationについてはIVUSが明らかにCAGよりpreventional valueがあると思い
ます。IVUSで見てperforateしやすい病変はありますから。絶対CAGでは分からな
いんですよ。

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○○です.

パナルジンをいつ投与するかについては,あくまでもレトロスペクティブな検討です
が,
下記のような報告があります.
これはかの有名なEPISTENT trialのplacebo群を解析して,パナルジンをインターベ
ンション前に開始していた例ではそうでなかった例よりadverse cardiac eventが少
なかったというものです.(IIB/IIA inhibitor使用群では差はなかったそうです.

ご参照下さい.

Steinhubl SR, Ellis SG, Wolski K, Lincoff AM, Topol EJ.
Ticlopidine pretreatment before coronary stenting is associated with
sustained decrease in adverse cardiac events: data from the Evaluation of
Platelet IIb/IIIa Inhibitor for Stenting (EPISTENT) Trial.
Circulation. 2001 Mar 13;103(10):1403-9.

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