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 はじめまして、○○病院○○と申します。
 新規登録ありがとうございます。
 <中略>
 現在の病院では、平成11年8月より、CAG、PCIを開始しました。当初より、診断カ
テは左radialにこだわり、術者は患者の左側に立ち、テレビモニターは患者の右側
に置いて検査しています。また、カテーテルも4F左radial共用を特注で使用してい
ます。
 CAGもまだまだ始めたばかりで、症例も少ないのですが、日帰りCAGも開始し、
CABG後の患者さんにはYUMIKOカテを使用させていただいたり,などいろいろ取り組
んでいます。
 TRA-netを通して勉強させていただきたいと考えていますので、よろしくお願いい
たします。

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○○です。

謹んで新春のお慶びを申し上げます。
旧年中は大変お世話になりました。
今年もますますのTRA-netの繁栄を祈念するとともに
御指導のほどもよろしくお願いいたします。

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○○です。

TRA-netのみなさん、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

このネットが発足して1年半を越えました。特に積極的な勧誘活動はしていませんが、
それでも”口コミ?”で登録メンバーが徐々に増え、現在○○○人となっています。

今年も、”良いモノは良い、悪いモノは悪い”と本音を言えるTRA-netでありたいと
思っています。

本年も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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○○です。
皆様明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しく御願い申し上げます。

さて私がここへ参加させて頂いてからまもなく1年ですが、この間TRA-netのお陰をも
ちまして随分と見識が広まったと感じております。今後ともTRIに限らず貴重な意見
交換の場として参加させて頂きたいと考えております。

当院は昨年4月から念願のスタッフ増員を得て、昨年と比較して精神的にゆとりがあ
るお正月を向かえております。昨年は5月のDCAの開始と共にIVUSの件数も急進し、当
院にとって大きく前進があった一年でした。今年も○○部長の号令の下、新しい何か
を目指したいと思います。今後ともどうぞ宜しく御願い申し上げます。

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新年明けましておめでとうございます。
日ごろはROM会員の○○です。

新規登録のとき以来ですので、少々自己紹介を。○○大学平成○○年卒、研修医、大学院、医員の8年間はほとんど高血圧の分野でやってきました。カテに関しては初心者です。4年位前からカテに興味を持つようになり、2年前から、現在勤務中の病院において、常勤の循環器ドクターに心カテ、PCIの手ほどきをうけております。なにせ、件数が少ない(心カテ50例くらい、PCI十数例、年間です)ものですから、TRAnetでの皆さんのお話を本当に興味深く拝見させて頂いております。いまの病院も3月までで、4月から勤務が変わる予定です。症例数の多い病院を希望していますが、願いがかなうかどうか・・・

今年もよろしくお願いいたします。

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○○です

今年は1/1は休みをいただき田舎に帰っておりましたが、
1/2からさっそくAMIが2件入り、うち1件は34ccの大っきな
バルーンが入ってしまいました。とほほ・・・。

今年も皆様よろしくお願いします。

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○○です

みなさん、新年あけましておめでとうございます。
緊急カテ等で、平穏な正月が迎えられた方は少ないかもしれません。
幸い、今回は年末にカテがあっただけで、少なくとも正月は無事でした。

昨年は、○○先生大忙しの一年でした。そのおかげで、多くの先生方とお会いできた
ことは大きな収穫でした。
今年も、留守番隊長の仕事が増えそうですが、極力イベントには参加したいと思って
います。今後ともよろしくお願いいたします。

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○○です

昨年2月以来ROMしております。
昨年は2月のハウステンボス、12月の鎌倉ライブとtransradialの2大イベントに参加
することができ、有意義な一年でした。
当院でも現在はradialが9割近くになり、とりあえず今年こそは患者さんのカテ室搬
入をベッドから車いすに変えたいと思っています。
今年もこのネット等を通していろいろと勉強させていただきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いします。

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○○です。
新年明けましておめでとうございます。
昨年はこのNETでいろんな方と知り合え、また八戸にお邪魔する事ができとても感謝
しております。菊池先生本当にありがとうございました。
平成○○年よりこの地でTRIを開始、昨年はCAG 880例 PCI 343例行う事ができまし
た。今年は昨年以上に<中略>と思いますが、
訳のわからないパワーゲームに巻き込まれる事なく
患者さんにとって安全で快適な治療を今以上に目指していこうと思います。
今年もどうかよろしくお願いいたします。

PS:ところで今年は12月31日当直、1月1日pm11:00 2日am3:00 3日am5:00 と緊急カテ
のために呼び出しを受け早くも寝不足になっております。

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○○すっかりROMメンバーです。TFI全盛の○○市内の一角を担って
います。昨年は世界も大きく変わりましたが、自分も(周りの環境も)今年は大きく
変わりそうな気配です。

鎌倉ライブの時は、しっかりしかも自由に自分の意見を述べる雰囲気が大変刺激にな
りました。今度は壇上で実感したいなぁと思ってます。
これからもヨロシク御指導下さい。

追伸、元旦の緊急カテでは、no reflowをきたし難渋し、IABPの威力を再確認しまし
た。

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○○です。
大晦日から7例のASC、そのうち2例IABPと
大忙しでした。この頃heavyな症例ばかりで
鎌倉にも行けなかったし、忙殺されてうんざり気味でした。
私(1963生、双子座)の運勢は今年は良いらしいけど?
まー運勢任せにせず自由に羽ばたければいいなと思っております。
TRA-netの皆様にはいつも勉強させてもらってます。
この半年すっかりROM状態でしたがことしは、たまには
登場したいと思います。
今年も宜しくお願いします。

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以下の症例について意見などいただけたら幸いです。
50歳、男性、risk factor smoking,HL,HT
平成13年8月にCPAにて搬入。PCPS、IABP挿入し、CAG施行。
#6 just proximalに99% with thrombusあり、#5 distalから#6
にかけてNIR ELITE 3.0mmX15mmを挿入しました。
LMT~LADは0%となり、Cxのflowも問題なく終了しました。
今回半年後のCAGを行ったところ、#7 75%、#9 90%、Cx ostium
90% を認めました。(stent内はOK。またRCAもintact)
Cxは血管径3.0mm程度でlesion lengthは8~10mm程度です。
exRIでは、lateralにischemia認めています。
LVEFは40%です。LADとLCXの分岐は、90度くらいあります。
みなさんはどうしますか。
当科ではCABGになると思われます。

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○○です。

CABGかPCIか、それは患者さんに依存しますが、この状況でCABG
しか選択肢がないってことは全くないと考えます。
今回PCIを選択すれば、当然LCXのPCI、たぶんLADとLCXのkissing、
さらに狭窄度によってはLAD#7、領域の大きさによってはD1もPCIを
一期的にします。
理想的には#7に3.5のstentを入れて、そのstent balloonと3.0balloon
で#5-6+11をKBT、その3.0mmバルーンでD1を広げれば2本のバルーン
で完全血行再建となります。僕だったらIVUSは必須ですので3本かも
しませんが。
NIRのstrutごしの拡張が悪い、2.0までしか広がらないのは分りますが
ostiumはnapkin ring 2.0mmと考え、#11 proxをしっかり拡張すれば
いいと思います。

それで再狭窄くればCABGの必然性はupします。しかし、現時点で
初めてのrestenosisでCABGしかないってのは... 患者さんにとって
いいこと???って思います。

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○○です。
当科でも昨年似たような症例を2例経験したことがあります。1例はAMI, shockで来院
し、LMT-subtotalに対しIABP下にdirect stentを行い、LCxをjailして#6aまで
Multilinkを植え込みました。慢性期にLCx入口部に90%狭窄があり、1度はPOBAを追加
して狭窄の解除を試みています。結局再狭窄でしたが...。ただしその患者様は、
LMT-LADのMultilink 3.5/15 (急性期に4 mm で後拡張)は問題なかったのですが、そ
のdistalに追加したNIRの再狭窄もありましたので、LCx-90%とあわせてCABGとなり
ました。  2例目(これもAMI, LMT-LADへMultilink 3.5/15 を留置し4mmで高圧後
拡張)は慢性期のLCxへのPOBAが効果的で、再狭窄無く経過中です。

○○先生の症例もNIRのstrutが広がるかどうかと言う問題はありますが、もう一度は
PCIかなと考えます。動脈グラフトできっちりつないでもらうと言う選択もあります
が、年齢を考えつつ悩むでしょうね。それとちょっと意地の悪い質問ですが、最初の
ステントに3mmを選択されていましたが、ややアンダーサイズな気がしますが如何で
しょう。IVUSで見ててLMCAが3mm程度の患者さんってほとんど見た事がありませんが
どうでしょうか。

僕だったらまず、LMT-LADへ向けて可及的に大きなtube stentを植え込み急性期を乗
り切って、慢性期に早めにLCx入口部にballoonを追加すると思います。分岐角が90度
近くあるようですが、OTWで施行可能と思います。仕上がり次第でT-stentが必要かも
しれませんが、当然LADが優先されますので、LMT-LADのステントを大きく壊さないよ
うに注意すると思います。D1が大きい場合には...ここへもPOBA(仕上がりが悪けれ
ば当然大き目にステントを追加)、でしょうか。これで再狭窄を来たすようであれば
CABGと言う選択になるでしょう。

ただしこのような戦略は現時点における保険診療でこそ許されるのもので、将来的に
は有無を言わせずCABGとなりそうですね。

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○○です。

私も○○先生や○○先生とほぼ同じ意見です。
問題はCX分岐部90%の処理でしょうが、一回のPCIで50%ぐらいの長期成功(2
人に1人ぐらいはCABGが必要なく済むという意味です)も望めるような気がしま
す。
もちろん再狭窄を来す、あるいは繰り返すのならCABGでしょう。
しかし私なら、一度もトライせずにCABGに回すことはないと思います。

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○○です。

○○先生からの症例についてですが、
50才の男性で、以前CPAで来られ、先生方が救命された訳です。
せっかく拾った命ですが、LVEFは40で、良くありません。
冠動脈はLCXのtake offで、ここは虚血をひき起こしており
PCIについてややこしい病変です。
LAD#7にも狭窄があります。

と考えると、やっぱりまっ先にCABGが頭に上ります。
心臓外科医に注文し、in situの動脈グラフトで
LAD, LCX, (D1?)を繋いでもらう。(静脈なんて滅相もない!!)
術後に専門家によって心臓リハビリ、運動療法をしっかり行い、
定量的にADLを評価して、その後の人生を送ってもらう。
可能な範囲での労働はして頂いて、税金も納めてもらう。
follow upのカテは術後はするにしても、その後は要無し。

どうでしょうか?以上は必ずしも本心という訳ではありませんが
今後PCI(特に待機的)をするにあたって、
<捕れる球をしっかり捕るようにする。ダイビングキャッチはしない>
との考え方はどうでしょうか?
イチロー外野手のように<Area#51>を作り上げる術者も確かに必要だし
このNETの中にもいると思います。
ただ、21世紀の医療の流れを考えて行く時に、一人一人のチャレンジ精神は
社会も病院も厚生省も保険機構もマスコミも、全てを認めてくれる訳ではない
と思います。
後逸して3塁打にしてしまった時、本当は守備が上手いのに!といっても
即2軍行きになるかもしれません。

こんなことを言うと活力が低下しますし、愉快さに欠けます。
元より、自分は決して保守的で守りに入る様な性格ではありませんが
ちょっとそう感じました。

あと、非観血的に冠動脈狭窄のスクリーニングができる様になると
とたんにPCI症例が爆発的に増加していくと思います。

腕に縒りをかけて作るよりも、Macのバーガーのように
簡単に、確実に、早く、同じ様に安くできる方を時代は要請して来るかも
しれませんね。

暗いメールですいません。明日からは宮崎です。
来られる皆さんドヒャーっと騒ぎましょう!

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○○です。みなさま明けましておめでとうございます。

○○先生の症例の話です。
シネがないのでイメージがわきにくいのですが、個人的には○○先生のstrategyに共
感します。私もPCIを行いたいと思います。

PCI派ばかりで、誤解される方があるかもしれないので付け加えますが、私はこんな
事も考えます。「今回も患者さんのために何とかPCIでやってあげたいのですが、や
や分が悪い戦いになりそうです。今回はelectiveにLMTをさわる事になるかもしれな
いしー、LCXに4割以上の再狭窄率が予想されるしー、いったん落ち着いたLAD just
やLMTの病変が不安定になることがあるしー。今後PTCAを繰り返し、結局CABGになる
ようななし崩し的経過と評価されることは忍びないなー。」と言うことで、現時点
でCABGが必要な状態であることを本人と家族に理解してもらう事、electiveにLMTを
治療することの院内のコンセンサスをとることも忘れずにやります。

この症例では、初診がCPAでかつLMT相当の病変でしたので、LMTからLADにかけて3mm
のステントをおいたことは十分妥当と思います。(通常はもちろんLMT/LAD just/LCX
justは4mmは最低ほしいところですが、)おそらくこの方は、びまん性病変で3.5mm以
上のステントをおいた途端no reflowで心停止状態に陥るおそれがあったと思います。
また、いったん落ち着いた退院前もこれを再拡張することは勇気がいることでしょう。

最後に、言いにくいのですが、当院でもCABGを選択する可能性があるかも。

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○○です

 私であれば,やはり積極的にCABGを進めます.手技的にPCI成功の可能性は高いと
考えますが,動脈グラフトの近年の成績をみておりますと,しっかりとつないで貰っ
ておくことが患者さん本人の長期にわたる心事故無しの予後をより期待出来るものと
判断するからです.

 確かにまだ50歳でありいかに動脈グラフトが優れているとはいえ20年以上順調に開
存している可能性は?ではありますが,現時点で患者さんのevent freeでの社会生活
復帰を長期にわたり可能にしてくれる方法としてはこの症例ではステントよりもCABG
ではないかと考える次第です.(10年以上経てば,又何らかの新しい方法があるはず
との非常に楽観的な期待も含まれています.)

 もし,この患者さんが現時点でACSの状態であったとしたら…迷わずPCIを選択し
てLMTからLAD・LCXへのkissing balloonをすべく攻めるでしょうが,それはこの場合
は橋渡し的なPCIに止めておくのではないかと僕個人としては考えております.seg9
につきましてはその大きさによっては放っておきます.

 過去にこのような症例の急性期にLMTからLADに向けてステントを留置してその後良
好に経過している方もいらっしゃいますが,確認造影後の退院前の自分が発する「良
かったね!」の中に(取りあえず数ヶ月は…)の続きを飲み込んでいるような気がし
てなりません.

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○○です。

この症例はPCI CABG、どちらでもいい(当然各施設のPCI CABGの
levelによりますが)症例だと思います。

この症例で、CABG>>PCIと考えておられる方はその根拠は何なんで
しょう。やや拡張の悪そうなLCX入口部病変は全てCABG、ってこと
でしょうか?
この症例の場合、次にPCIをしてLCX入口部、mid LADがOKなら、
CABGをしなくていいわけですよね。入院は3日(うちだったら)で
advantageはかなりあると思います。
PCIのadvantageが充分ある以上それを患者さんに説明しない選択は
ないように思うのですが。
PCIのriskが高ければ別ですけど、この症例ではあまり問題ないように
思います。

>  もし,この患者さんが現時点でACSの状態であったとしたら…
> それはこの場合は橋渡し的なPCIに止めておくのではないかと僕
> 個人としては考えております.
橋渡し的というのはどういうことなのでしょうか。気持ちは分るのですが
不十分拡張でも止めるってことではないでしょうし、やはりPCIをするの
であればその時点でできる限りの結果を求めるべきだと思います。
結果として慢性期にCABGになることはあるでしょうが、PCIをする時に
橋渡し、っていうのはやはり考えるべきではないと思うのですが。

>  過去にこのような症例の急性期にLMTからLADに向けてステントを
> 留置してその後良好に経過している方もいらっしゃいますが,確認
> 造影後の退院前の自分が発する「良かったね!」の中に(取りあえ
> ず数ヶ月は…)の続きを飲み込んでいるような気がしてなりません.
○○先生は “とりあえず数ヶ月は” の言葉は飲み込まれているのです
か?
僕は必ず、PCI後は仮免許のようなものです、半年
経って何ともなくて始めて卒業ですよ って言ってます。今のPCIは
残念ながら再狭窄の問題は残っていますから PCIは1回のみで終わる
治療ではない とも説明しています。
コストの問題は避けられませんが、患者さんに使ったデバイスを残して
再滅菌し同じ人に使う、ということ等を考えればコストを抑えつつPCIを
行うことはできると思います。

最後にこの症例に戻るのですが、この症例ではPCI CABGとも各々
advantageを持っていると思いますので 両方をきちんと説明すること
が最も大事なことだと思います。それでCABGを選ばれれば心臓外科医
にできる限りのCABGをしてもらい、PCIを選ばれればできる限りの
PCIを行う、それが僕らのすべき事だと思います。

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○○です。

高度石灰化とか、まったくワイヤがとおりそうもないCTOとかではないので、ウチで
も、もちろん、迷わず、PCIをいたします。
○○先生がご提案されたようなやりかたですね。7Frのシステムで。
問題は、LCx入口部が何回のPCIですむかですが、LCxの支配領域はどのくらいでしょ
うか?
LAD/D1がうまくいって、再狭窄も無ければ、LCxが75%位に再狭窄しても、medicalに
コントロールできないでしょうか?

CABGでも構いませんが、その場合は、LITA-LAD、RITA-D1、lt RA-LCx(それも、
大きな分枝が複数あれば、sequentialに全部つなぐ)を確実にこなせる術者じゃない
と、あとあと、かえって困ると思います。SVGを使うCABGは、○○先生がおっしゃる
ように、とんでもありません。

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○○です。

先ほどまでの、議論とは全然関係ないのですが、この所、5Fr PCIのRCAが続いた
ので、まずJL4.0(JJ)、次にFL3.5(Medtronic)を、反転させて使用してみました。い
きなり深く入ることはありませんし、バックアップがいいので、ワイヤクロスも容易
です。JRよりも、一度入ってしまえば、その後の手技はずっと簡単そうな印象です。
どちらも右TRIでしたが、カテ内にワイヤを残し、左Valsalvaへいったんチップを持
ち込んだ後、ひきながらclockwiseに回して右Valsalvaへ移動させ、その後すこし押
し付ければ簡単に入ります。
○○先生、一度試していただけませんか?

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○○です

> この症例で、CABG>>PCIと考えておられる方はその根拠は何なんで
> しょう。
 
 長期予後に対する期待感の違いだと思います。それが来るのか来ないのかも解りま
せんがLMTが再度危険な状態に陥った場合に左室機能が更に低下する可能性を考えま
すと、心配になります。 たとえば10年間この症例がLCxのPCI後、全く問題なく経過し
たとして、安心のために何回のrestudyを行う事になるのでしょうか。

> 橋渡し的というのはどういうことなのでしょうか。

 心筋虚血を解除するために最小限の灌流を確保するといった意味合いです。それが
POBAなのかステントなのかあるいはIABPなのかはその時点で決める事でしょうが、短
期間の後にCABGに移行するために心機能を損なわない努力をすると言った意味です。
 もちろん途中で辞められるわけはありませんが、やりすぎてステントの構造を壊し
てしまう…ステントが浮いてしまう、あるいは新たな解離を作るような事は避けるべ
きであると考えての発言です。


> ○○先生は “とりあえず数ヶ月は” の言葉は飲み込まれているのです
> か?
> 僕は必ず、PCI後は仮免許のようなものです、半年
> 経って何ともなくて始めて卒業ですよ って言ってます。

 ○○先生のお言葉耳に痛いです! もちろん自分では十分説明しているつもりでも、
患者さんと別れたあとに『でもやっぱり心配…』との思いが残り、その患者さんの事
をいつまで経っても忘れる事が出来ない、 結局自分のPCIに対してそこまで自信がも
てないって事かも知れませんね。 

 この患者さんに対して最良の方法は○○先生がおっしゃるように両方の利点と欠点
を説明して選択出来る環境におく事だと思います。 これに関しては全く同感であり、
患者さんの幸せのために我々の存在意義が有るとの思いは変わりません。

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○○です。

>  長期予後に対する期待感の違いだと思います。
...
> たとえば10年間この症例がLCxのPCI後、全く問題なく経過し
> たとして、安心のために何回のrestudyを行う事になるのでしょうか。
なるほど。僕は6ヶ月でOKならその後全くangiographical restudyは
しないと思います。僕はこれまでよほどのintermediate stenosisを
残さざるを得なかった状況以外では1yr 2yrs 3yrsなどの長期の
follow-up CAGをしていません。経過からいうとする意味がないと思っ
ているのですが。逆にそのためにintermediateもしているのか、と
今思いつきました。

>  この患者さんに対して最良の方法は○○先生がおっしゃるように
> 両方の利点と欠点を説明して選択出来る環境におく事だと思います。
> これに関しては全く同感であり、患者さんの幸せのために我々の
> 存在意義が有るとの思いは変わりません。
この点に対し全く同感ですし、最も大事な部分ですよね。
○○先生、何回もResいただきありがとうございます。

できれば、上の部分に関して、長期的なangiographic follow-upの
基準、または してよかった っていう例があったら教えて下さい。

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○○です
○○先生  
先生の一本筋の通った考え方と、それを裏付けられる論理の展開に接する事が出来て
大変勉強になりました。有り難うございました。 ある症例についてこうして意見の違
いを述べられる機会は、 なかなか無いので有意義でした。 これこそこのnetの目指
すところではないでしょうか?

 今度はお会いして、また論議を交わせればと期待しております(殴り合いにならない
程度に)。

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○○です。

○○先生、有用な情報ありがとうございます。

左のジャドキンスでRCAのPCIをするということですね。
手元にある不潔な5FrJL4.0(JJ)を延ばしてみると、バックアップも含めて、たしかに
いいような感じがします。ワイヤーで延ばしてJLやFLを右に入れるなんて、5Frなら
ではの醍醐味でしょうか。

怖いのは、RCAの病変に「左のジャドキンス出して」と言うと、スタッフが「○○は
まだ(また?)昨日の酒が残っているのか」と笑われるような気がします...勇気を
出して試してみます。

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○○です。
なかなかおもしろい展開になって、一日何度もメールを開いています。
私見ですが、○○先生のいわれるように
> CABGでも構いませんが、その場合は、LITA-LAD、RITA-D1、lt RA-LCx(それも、
> 大きな分枝が複数あれば、sequentialに全部つなぐ)を確実にこなせる術者じゃない
> と、あとあと、かえって困ると思います。SVGを使うCABGは、○○先生がおっしゃる
> ように、とんでもありません。
がきっちりこなせれば、CABGだと思います。これしてもらって、術後アスピリン、ACE、
アーチスト, スタチンですむなら、CABGもいいかなと思いますが、SVG使ってワーファリンつかうなら
断然PCIでしょう。PCIするときに、○○先生のいわれるようにLMTに3ミリステントとならざ
るを得なかった血管であることが気になります。DMでしょうか?

これいっちゃおしまいですけど、CABGかPCIかは そこの心外がどれだけ出来るかに
よるのではないでしょうか。PCIは最近のステントの登場以後、術者間の差がほとん
どなくなっているように思います。もちろん、CTOやや一部の複雑、びまん性病変で
は術者による差はありますが、実際差がでるのは症例全体の10%以下ではないでしょ
うか。もちろん(だからこそ)、私たちはPCIの初期成功99%を100%に、再狭窄20%
を10%以下に出来るよう工夫しなければならないと思いますし、結局そこのところの
工夫で○○先生はIVUS guideで大きなステントを入れられているのだと思います。う
ちの心外はいいとこ行ってると思いますが、手術ってホント術者ですよね。

○○先生 oGTTの結果を教えてください。

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○○です。

うちには、ご存知のように、○○先生のおっしゃるようなレベルのCABG術者がおりま
すが、それでも基本的にはPCIでしょう。
外科サイドも、1回か2回、PCI することに、何の異論もださないでしょう。
上手くいけば、それは、いくらoff-pump CABGでも、TRI とは、侵襲度はちがいます
から。

ところで、SVG使ってLCxつないじゃうと、ワーファリンのんだところで(ところで、
ワーファリンってSVGの長期開在に有効って、エビデンスありましたっけ?)7,8年
で詰まってしまいますね。今の施設になって、graft failure→re-CABGになる患者さ
んがよく他施設から送られてきますが、ほんとうにSVGは、はかないです。この患者
さん、50歳ですから、それはいくらなんでもまずいと思います。

LCxにSVGが一旦つながると、グラフト経由のflowが増えるんで、native のLCx11は
totalになるでしょう。
何年かたって、SVG failureが起こると、LCxのAMI(下手すればsudden death)、LMT
のNIRのストラット越しのCTOあけ、LITA-LADがpatentの状態でのre-CABG、などとい
う事態が予想されます。
SVG使うくらいなら、PCIして、75%再狭窄になるほうが、よほど長期予後は良好と考
えます。

お話を伺う限り、末梢のランオフはよさそうです。心機能が少し悪い以外は、ごくご
く普通の、簡単なCABGですよね。
そもそも、この患者さんに、LITA-LAD/SVG-LCxの術式をあてはめる外科医のCABGだと
(要するに動脈でやる自信と技量がないわけですから)、術後確認カテで、悪夢の両
グラフト閉塞、になるリスクもそれなりにありませんか?

○○先生おっしゃるところの、「CABGかPCIかは そこの心外がどれだけ出来るかによ
るのではないでしょうか。」というのは、永遠の真理だと考えます。ただ、私はPCIの
術者による違いは、単に病変成功が得られるかどうか、ではなく、手技全体の
quality、万一不測の合併症(穿孔や逆行性解離が起こったときなど)が起こったと
きのことを考えれば、先生がおっしゃるよりずっと大きいと思います。もし、自分が
LAD7 90% (typeA)にPCI受けるとしても、術者は、必ず最高レベルの先生にお願いし
ます。

*****************************************

○○です。
○○先生、早速のレスありがとうございます。

>
> ところで、SVG使ってLCxつないじゃうと、ワーファリンのんだところで(ところで、
> ワーファリンってSVGの長期開在に有効って、エビデンスありましたっけ?)7,8年
> で詰まってしまいますね。今の施設になって、graft failure→re-CABGになる患者さ
> んがよく他施設から送られてきますが、ほんとうにSVGは、はかないです。この患者
> さん、50歳ですから、それはいくらなんでもまずいと思います。

確かにワーファリンのエビデンスはないと思います。でも、漫然と使っています。これって、
硝酸薬と一緒かもしれません。

グラフト閉塞、になるリスクもそれなりにありませんか?
>
ただ、私はPCIの
> 術者による違いは、単に病変成功が得られるかどうか、ではなく、手技全体の
> quality、万一不測の合併症(穿孔や逆行性解離が起こったときなど)が起こったと
> きのことを考えれば、先生がおっしゃるよりずっと大きいと思います。もし、自分が
> LAD7 90% (typeA)にPCI受けるとしても、術者は、必ず最高レベルの先生にお願いし
> ます。
>
>
もちろん(だからこそ)、私たちはPCIの初期成功99%を100%に、再狭窄20%
を10%以下に出来るよう工夫しなければならないと思いますし・・・・で、我々は努
力しなければならないと思っています。おごっているわけではありませんし、誰でも
一緒とはけっっっっっっっっして言ってるわけではないのです。誤解されたらすみま
せん。

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○○です。

> うちには、ご存知のように、○○先生のおっしゃるようなレベルのCA
> BG術者がおりますが、それでも基本的にはPCIでしょう。
> 外科サイドも、1回か2回、PCI することに、何の異論もださないでしょう。
> 上手くいけば、それは、いくらoff-pump CABGでも、TRI とは、侵襲
> 度はちがいますから。
先生の所の術者だったらそれこそ、CABGのadvantageも大きい訳で
すよね。それでも基本的にPCIでしょう、というのは、たぶん患者さんが
PCIを選ばれるってことを念頭に入れてのこと でしょうか。

SVGについて、○○先生が絶対許せないっていう気持ち、それは充分
わかります。が、少しだけ僕の考えを言わせていただければ、今後の
グラフトは可能な限り、これは術者によって+患者さんの年齢 etc と
いうことになるでしょうが、動脈グラフトを使うべきであることに全く異論
はありません。
でもこれまでに使われてきたSVGの寿命は滅茶苦茶ではないと思って
います。以前インターベンション学会(だったと思いますが)のシンポジ
ウムかパネルで日本でのSVGの成績は海外のデータ程悪くない、とい
う話もありましたし、僕の経験でも7年でかなりダメになる、なんていう
話しは実感と合いません。
結構きれいに開いているのはあります。
だから、SVGに対する長期開存のデータは日本のデータをちゃんと明ら
かにしなくてはいけないですし、これまでにつながれたSVGに対して
過度にリスクを考えたり、そういう説明をするのは(もししていたら)止め
るべきだと思います。

> ○○先生おっしゃるところの、「CABGかPCIかは そこの心外がどれだ
> け出来るかによるのではないでしょうか。」というのは、永遠の真理だ
> と考えます。ただ、私はPCIの術者による違いは、単に病変成功が得
> られるかどうか、ではなく、手技全体のquality、万一不測の合併症
> (穿孔や逆行性解離が起こったときなど)が起こったときのことを考え
> れば、先生がおっしゃるよりずっと大きいと思います。
全くこの意見に賛成です。PCIは簡単にできるようになっていますが、
一度トラブれば大変なのは忘れてはいけません。

ついこの間のうちの症例で、LCX distalのreference 2.5mm程度の血管
でB1 lesion、なんてことはないので他の術者に任せて 2.5mm POBAを
したらblow outのcoronary perforationとなりました。Balloonで押さえても
まったく止血できず、結局末梢だったのでコイルでoccludeしたのですが、
その手技も手前のPLにballooningして止血しながらsecond guide cath
をいれそこからmicro catheterをいれ、という手技で結構ややこしい
ことをしなくてはなりませんでした。そのお陰で心嚢液もごく少量の漏れ
ですみました。
この例なども簡単なPCIに見えても何か起こると術者によるcriticalな
部分での差が出る、と思える例でした。

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○○です。今日は、休みのせいか、盛り上がっておりますね。

>先生の所の術者だったらそれこそ、CABGのadvantageも大きい訳で
すよね。それでも基本的にPCIでしょう、というのは、たぶん患者さんが
PCIを選ばれるってことを念頭に入れてのこと でしょうか。

侵襲度が、まったく違います。入院期間も、社会的に最短を希望する患者さんには、
午前入院→午後PCI→翌日退院 にしております。
あと、このPCI、LCxの入口部が再狭窄するかどうかは別にして、
手技自体は全部一度にやっても、大したことはないですから、
わざわざ最初からCABGに行かなくても、という思いが強いんです。

>だから、SVGに対する長期開存のデータは日本のデータをちゃんと明ら
かにしなくてはいけないですし、これまでにつながれたSVGに対して
過度にリスクを考えたり、そういう説明をするのは(もししていたら)止め
るべきだと思います。

はっきりしたデータを明らかにするべきだ、とう先生のご意見には賛成です。
ただ、自分のこれまでの経験では、SVGの成績は悲惨なものでした。
7年持てば、御の字くらいに感じております。
おそらく、外科の術者によって、SVGの開存率にも、大きな違いがあるものと考えま
す。
私は、SVGはどうなるかわからないと患者さんに話し、7年を経過してアンジオしてな
ければ、CAGをすすめています。
リスクは常に意識するべきだし、患者さんにも所詮10年をこえた、長期開存は期待で
きない、と申し上げております。
金曜も、これは、私のところにカテ依頼が来た患者さんですが、
有名な術者の手になるSVG2本のうち、1本がたしか6年でsilentに閉塞しておりまし
た。

>全くこの意見に賛成です。PCIは簡単にできるようになっていますが、
一度トラブれば大変なのは忘れてはいけません。

ありがとうございます。術者の技量の違いが、何らかの形で、公的に認められるよう
な社会になってほしいと思います。

>ついこの間のうちの症例で、LCX distalのreference 2.5mm程度の血管
でB1 lesion、なんてことはないので他の術者に任せて 2.5mm POBAを
したらblow outのcoronary perforationとなりました。

ウチでも、LAD7で夏に似たようなことが起こりました。この患者さんって、高齢の女
性でしょうか?
あと、IVUS上の血管径を教えていただけませんか?
nagative remodelingしていた、実は2.5mm以下の小血管にバルーンかけられたので
しょうか?
わたしの経験では、70歳をこえた、小柄な女性は、一見単純な病変でも、本当に何が
起きるか油断できません。

また、討論いたしましょう。

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○○です。
休みで風邪ひいてメールぐらいしかする気が起きません。

この症例ではPCIをして再狭窄をしてそこでCABGにいくなら、1回PCI
した分だけ無駄なわけですよね。だからこの時点でのCABGにも充分
なadvantageがあると思います。
だから先生も書いたように
> 侵襲度が、まったく違います。入院期間も、社会的に最短を希望する
> 患者さんには、午前入院→午後PCI→翌日退院 にしております。
入院期間や回数などで患者さんに決めてもらうのがbestと思います。

> ただ、自分のこれまでの経験では、SVGの成績は悲惨なものでした。
> 7年持てば、御の字くらいに感じております。
> おそらく、外科の術者によって、SVGの開存率にも、大きな違いがあ
> るものと考えます。
> 私は、SVGはどうなるかわからないと患者さんに話し、7年を経過して
> アンジオしてなければ、CAGをすすめています。
> リスクは常に意識するべきだし、患者さんにも所詮10年をこえた、
> 長期開存は期待できない、と申し上げております。
うーん、ここは少し違いますね。術者によるものですかね?
10年を越えていても開存しているSVGをみています。だから一概に
言えない、開いてるものは開いているって思ってます。
7年越えてCAGをするかどうかは???どうでしょ、でももうすぐCTや
MRIを使えるからそうなったらものすごくされるでしょうね、そしてsilent
occlusionがわかって、長期開存の成績も出ると思います。

> ウチでも、LAD7で夏に似たようなことが起こりました。この患者さん
> って、高齢の女性でしょうか?
> あと、IVUS上の血管径を教えていただけませんか?
> nagative remodelingしていた、実は2.5mm以下の小血管にバルーン
> かけられたのでしょうか?
70才ぐらいの小柄な男性です。IVUSはdistalなのでしていません。
造影上 2.5mmがやや大きいかなーって感じの血管でした。

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○○と申すものです。

○○先生の提示された症例には驚きました。
僕は今事情により北海道にいますが、○○先生の
弟子のため、何度か○○先生のIVUS 勉強会に参加させていただき
いつも勉強させていただいているのですが、今回の症例は信じ難いくらい
驚き勉強になりました。

>
>ついこの間のうちの症例で、LCX distalのreference 2.5mm程度の血管
>でB1 lesion、なんてことはないので他の術者に任せて 2.5mm POBAを
>したらblow outのcoronary perforationとなりました。Balloonで押さえても
>まったく止血できず、結局末梢だったのでコイルでoccludeしたのですが、
>その手技も手前のPLにballooningして止血しながらsecond guide cath
>をいれそこからmicro catheterをいれ、という手技で結構ややこしい
>ことをしなくてはなりませんでした。そのお陰で心嚢液もごく少量の漏れ
>ですみました。

上記のように、単なる POBA で(cutting や Rota でなく)perforation、
それも oozing ではなく blow out することは、over-size のバルーンでは
それなりにありえるのでしょうか?仮に IVUS を使用していなくても、
angio のみで選択バルーンが2サイズ over となることはないとは思うので、
そのような事が angio からのサイズ選択だけでもありえるなら
恐ろしいと思いまして。また何気圧で inflation されたのでしょうか?
僕の経験症例も少ないのですが、関連施設でもPOBA のみで perforation
した症例は聞いたことがなかったので。
それと止血方法ですが、同側あるいは対側の brachial or femoral から
新たにシースを挿入して2本目の Guiding cath を入れて施行されたのでしょうか?

また、僕の知りうる範囲では、つめるためのコイルを常備置いている病院は
少ないように感じており、多くの関連病院は心臓血管外科がなく、
バルーンで長時間押さえるのみしか手が残されていません。
(もうすぐ covered-stent が堂々と使えるかもしれませんが)
それでも、POBA only or POBA + stent は安全と信じ、皆がんがんに PCI を
やってますが、そういう僕たちこそ先生方のおっしゃるとおり
反省するべきなのかもしれません。

PCI 初心者なので、アホな質問ならすいません。

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挨拶が遅れて申し訳ありませんでした。○○大学卒の○○です。

私は卒業後、<中略>
4年間で約1000例のPCIを術者として経験したのち、大学からの要請で平成10年より現在の○○病院の心臓カテーテル部門を立ち上げ現在までの3年半で約650例のPCIを施行してきました。
TRA∩TRIをはじめたきっかけは1999年6月、立ち上げ1年目に以前の上司である○○先生から飲み屋に誘われ「TFAで全てのPCIを施行するのは時代遅れだ。今後、お前は全てのPCIをTRIでやれ。」とアドバイスされたことでした。私は○○先生をTRIには全く興味のないTFA専門の術者だと思っていたので驚きましたが、病院の他のスタッフと相談のうえ最初はインジェクターを用いた4FのTRAを導入しました。
導入後2年半が経ちTRIも年々増えつづけていますが、○○県にはTRIを施行している病院が少なく十分なディスカッションもないまま自己流でTRIを施行して来ました。昨年12月に鎌倉ライブのDr SAKAI’s教育セッションに参加させていただき非常に感銘を受け、tra‐netに参加させていただきました。最近、○○先生に5FのTRIについてアドバイスをいただき去年の年末より5FのTRIに積極的に取り組んでおります。
また、PCI以外にも大学でのdrug-eluting stentの動物実験や業者とインターネットを用いた総合的物品管理システムの共同開発も手がけておりますのでその点に関しても皆様のご意見を伺いたいと思います。

さて、○○先生の症例に対する皆さんのあつい意見が聞けて参考になりました。せっかくの機会ですので私の意見を述べさせていただきます。
まず、○○先生の症例ですが厳しい状況をうまく救命されたのに再発が生じてしまい残念です。#7がnew lesionなのか、#11にもともと狭窄が存在したのかまたその潅流領域が不明なので私の治療方針が一面的な点はご了承いただきたいと思います。

PCIを施行した場合はどうでしょう。EF40%、LMTがOKならば複雑な手技をしなければ98%以上の成功率が期待できる症例だと思います(100%ではない!)。成功率がCABGと変わらないとした場合にPCIの長期予後はどうでしょう、1997年日循シンポジウムでレトロスペクティブに多枝病変に対するPCIとCABGの基礎データーをたたいたことがあります。1992年のPCI症例にはステントが使用されておらず320例のイベント発症率は64%、そのほとんどが再狭窄でした。再狭窄を除くと術後1ヶ月から4年間ではAMIや死亡は0%でした。しかし驚いたことに5年目に5例のAMIと1例の突然死が認められました。一方CABG(LITAとSVGをもちいた完全血行再建)300例のイベント発症率は2%でした。6例中3例がPMIや術後早期のトラブルで、術後1ヶ月から5年間で2例が狭心症再発(ともにグラフト再閉塞)でやはりAMIが5年目で1例生じました。
もう少しきちんとしたデータが必要ですが、5年ぐらいをひとつのスパンとして重症冠疾患の症例はイベントを生じるのかもしれません。CABGよりPCIで頻度が高かったのはCABGでは50%ぐらいの病変対してもバイパスがつながっており、結果的にプロテクトされた可能性を考えております。
いくらPCIを繰り返してもCABGでプロテクトしても強力な薬物療法で動脈硬化を防いで行かなくてはマルチリスクファクター症例のAMIの発症は予防できないのではないかと思います。したがって、本症例の予後を決定するのは長期的に起こってくるRCAあるいはCXのイベントであると考えます。また、これはangiographyを繰り返すことで防げるとは思いません。
私の結論はPCIと強力な薬物療法です。ただし、RCAに50%でも病変が生じバイパスをつなぐ必要性ができた場合には迷わずCABGです。もちろん、本症例の回旋枝は初期再狭窄を繰り返す可能性も考えねばなりません。なぜなら初期内膜はステントストラットをオーバーに覆うように増殖するからです。しかし、ニアエリートの有効径が2.0mmですので仮に0.3mm(ストラットの厚みの2倍)程度の増殖であれば内腔は1.4mmとなり末梢が太くても(3.0mm以上)50%〜75%の狭窄となり得ます。LMTに挿入したステントの反応が良いことはひとつの明るい材料だと思います。ただし、50%狭窄ぐらいが限界だと思いますのでCABGの際にはつないでもらいます。再狭窄を繰り返すとしてもRCAに病変がなければPCIと強力な薬物療法を続けて行くと思います。

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○○です。

> 上記のように、単なる POBA で(cutting や Rota でなく)perforation、
> それも oozing ではなく blow out することは、over-size のバルーンでは
> それなりにありえるのでしょうか?
ありうると思います。今回の症例でのポイントは LCXであったこと(LCXは
血管サイズを間違うことがありますから)、distalであったこと(PLで房室間
溝ではなく心尖部に向かう中間少し手前ぐらいで血管周囲組織が少ないと
思われた)、最初の拡張(8atm)で少しdistal側が妙に拡張していてたぶん
その時perforationしていたと思われるが術者は逆にindentationの残存と
考え10atmで再拡張していること、がありますが、これらのポイントを見落と
すと充分blow out perforationになってもおかしくありませんし、血管の中心
に位置する造影では見にくい石灰化があれば低い確率ではあってもblow
outするのはありえると思います。

> それと止血方法ですが、同側あるいは対側の brachial or femoral から
> 新たにシースを挿入して2本目の Guiding cath を入れて施行されたの
> でしょうか?
> また、僕の知りうる範囲では、つめるためのコイルを常備置いている病院
> は少ないように感じており、多くの関連病院は心臓血管外科がなく、
> バルーンで長時間押さえるのみしか手が残されていません。
> (もうすぐ covered-stent が堂々と使えるかもしれませんが)
2本目のガイドはfemoralから入れました。コイルは放射線科にはある程度
置いているでしょうし、そうでなくとも置いておくべきです。少し固いwire
を使えばwire perforationってのは可能性がありますし、balloonで止ま
らない閉塞させてしまっていいぐらいの血管の場合にコイルは必要です。
僕自身、昔はコイルは要らないんじゃないかって思ってましたがある
例で使えば何てことなかったのに使えなくてとんでもない目にあった
ことがありそれから考えを変えました。

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○○です。

>業者とインターネットを用いた総合的物品管理システム”とはどんなものなので
しょう? そのさわりだけでもちょっと教えてください。

現在、本院では看護婦さんがマークシートで使用物品をコードし、医事がコードを元
に保険請求を入力する2度手間になっております。また、リアルタイムの物品使用状
況の把握ができず、新しい物品が出るたびにコードをつける必要があるなど不自由だ
と事務から指摘されております。昨年秋に現場での一回のバーコード入力で保険請求
までできるような院内システムを考えて欲しいと要望されました。(こんなことをし
ているのは私だけでしょうか?)本院では画像ネットワークで院内RANが組まれてお
り動画ネットも2月稼動予定ですので、現在考えているシステムはいわゆる従来のSPD
とは少し異なります。簡単に書くと大きな外部サーバーに使用物品を登録しておき、
バーコードから発注、在庫管理、保険請求を院内RANとインターネットを使って一挙
にやってしまうものです。業者さんには各物品の中間マージンをゼロにして使用する
サーバーの大きさに応じたサーバー使用代金だけを支払います。将来、メーカー直売
が可能になれば端末をメーカに置いてもらい病院から業者を介さずに直接取引も可能
です。サーバーに対するアクセス権やセキュリティーの問題など多くの問題がありま
すが、病院の承認を得られたので心臓カテーテル物品のみの小規模なシステムのテス
トを予定しております。

昨年、厚生省から数社の業者にカテーテル関連物品のSPD開発依頼がなされておりま
すが、統一バーコードの問題であまり進んでいないようです。

今のところまだ稼動していないのでまた進行状況など具体的に報告させていただきま
す。
みなさまのアドバイスよろしくお願いします。

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○○と申します。
Tra-net 初参加で、少々馬鹿げた意見かもしれませんが、よろしくご指導ください。
○○先生の症例の件ですが、私のレベルでは、CABGとすぐ判断してしまいました。長
期予後より、まずこの症例が満足いく手技で終わるかに
不安があるからです。
そもそも LMT がらみの PCI の適応が広まったのは stent の恩恵によるものと思い
ます。 ですからこの様な症例には、stenting 可能かどうかが、
少なくとも私のレベルでは大きなカギを握ります。
NIR stent で、LAD-LCX 90度。LCX への stent が NIR のストラッドに
ひっかり Y stent みたいになってはとんでもない罪悪ですし、、、、。
こんな症例、KBTの後、Radius ほうりこんで T-stent みたいなのなんてどうなんで
しょうか?
位置決め難しそうですが、少なくとも、脱落、Y stent は回避できそう。
(もちろん、KBT で仕上がりよければ必要ないのでしょうが)

失礼で、変な質問かもしれませんが、PCI と判断された先生方では stenting につい
ては如何考えておられるか知りたいと思っています。

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○○です。

まずKBTでステントは最初は考えないと思います。で、KBTやった後
どうしてもステントを入れなくてはならないとき、90°だったら何とかなる
と思います。例えばsupport wire、僕だったらGrandslamを必要なら2本
入れる、ステントはなるべく短いものを選んで通過性をよくする、など
です。当然back upがあった方がいいですからALを選択など です。
Radiusは 全然考えませんが うーん 使わないでしょうね。

ちょっと言い方はきついかもしれませんが、この症例で急性期を心配
するのであればCABGを選択した方がいいと思います。

これは、盲目的にPCIっていうことを勧めているわけではありません。
でもちゃんと考えてPCIでいけるって思うのは最低条件ですから。

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○○です。

ご挨拶が遅くなりまして申し訳ありません。
私は○○年に北海道大学を卒業後、<中略>
平成12年から○○病院で本格的に開始しました。

○○病院ではまがりなりにもTRA・TRIを行ってはいたのですが
○○では基本的に診断カテはTransbrachial、PCIはTFIであり、
最近はTRI を行う機会もほとんどなくなってしまいました。

これは、当院では研修病院として新人が診断カテを担当することと
PCIにおけるAMIの比率が高いことが関係してのことかと思いますが、
当然のごとくにTRIでComplexな病変に対してPCIを施行され、
熱心な議論をされているTRA-Netの過去ログを拝見させていただくと、
当院との意識の違いに驚くばかりです。

いろいろと勉強させていただきたいと思います。
よろしくおねがいします。

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○○です。

>失礼で、変な質問かもしれませんが、PCI と判断された先生方では stenting につ
いては如何考えておられるか知りたいと思っています。
ニアステントのステントストラットを広げたときに最大径2.0mmがうまい具合にCx
入口部にぴったり合えばストラット越しのstentingもストレスなくできそうですが
KBTだけで済まそうと考えるほうが普通じゃないでしょうか。逆に、ひどい冠乖離や
冠閉塞でステントが必要になる可能性があるとき(キツイ石灰化や屈曲病変が近傍に
あるなど)はCABGでもよいと思います。
どうしてもステントが必要なときは○○先生の方法がBESTだと思います。ただ、Cx入
口部のニアステントのストラットを切ってしまうことはやめたほうがよいと思いま
す。以前に無理やりストラットを切ったところステントが変形するだけでなく切れた
ステントが内側に向いてしまい、バルーンラプチャーを繰り返しているうちに
LMT-LADに乖離ができてしまい祈るような気持ちでコイルステントを追加して、また
KBTしてやっとCXにステントを入れたことがあります。

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○○です。
先月IVUSを31症例に使用しなんと7本が保険できられてしまいました。
その中にはPTCRAで使用したものや、Direct-stenting時に使用したものも含まれてい
ます。やはり九州では使用しない方がいいのかなあと思っています。
しかし当院の一昨年と昨年のfollow-up ができた症例の再狭窄率はIVUS使用群で18.2%
、IVUS未使用群で30.5%と有意差がでました。
POBAの比率やステントの種類などについての詳しい分析はまだですが、IVUS使用群で
明らかにステントサイズは大きかったです。ステント長には有意差はありませんでし
た。
この事を考えてもIVUSはPCIに欠かせないdeviceと考えます。切られる事覚悟でこれ
からも使用していくと思いますが、なにかいい知恵はありませんか?

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○○です。

>しかし当院の一昨年と昨年のfollow-up ができた症例の再狭窄率はIVUS使用群で
18.2%、IVUS未使用群で30.5%と有意差がでました。POBAの比率やステントの種類な
どについての詳しい分析はまだですが、IVUS使用群で明らかにステントサイズは大き
かったです。ステント長には有意差はありませんでした。この事を考えてもIVUSは
PCIに欠かせないdeviceと考えます。

○○県ではコメントを書けばIVUSが削られることはないのでずいぶん使いましたが、
造影像とIVUSをたくさんの症例で比べているとだんだんIVUSをみなくても「大体これ
くらいかな。」でステントサイズを決めてしまい。昨年、OPTICUS studyの結果が報
告されたころは非常にIVUSの使用率が減りました。(コメントを書く手間を減らした
いという甘えもあったと思います。)でも、そのころにPCIした患者さんの一人が年
末に早期再狭窄で再入院されIVUSをみたところ明らかに小さいサイズのステントを選
んでいたようで、そのことに反省し、またがんばってIVUSを使ってます。OPTICUS
studyのようにランダマイズすれば差が出ないのかもしれませんが、やはりステント
を留置するさいには患者さんのためにもできるだけ多くの情報を集める必要があると
思います。

>切られる事覚悟でこれからも使用していくと思いますが、なにかいい知恵はありま
せんか?

削られるたびに面会を求めるのはどうでしょう?もしかしたら、知り合いの先生かも
しれません。私の場合は勝手に事務が予約をとってきて、強制的になんども面会させ
られました。でも、それなりに効果はあるようで最近の循環器科の減点率は0.05%平
均です。保険委員会でも責められなくてうれしいことです。

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○○です。

最終的にどうしても切られるのなら訴訟しかないのではないのでしょうか。
と、最初から過激なことを書きましたが、かなり本音です。
九州地方の現象とかかれており、その状況はかなり把握していますが、○○でも
同様の現象はありました。僕が○○に来てしばらくの間、PCIが3倍ぐらいに
増えたこともあり非常によく減点され、○○先生と同じようにdirect stentでステ
ント1本、IVUS1本でIVUSが切られたりしていました。その後自分がこれまでして
きたIVUS関係の仕事の内容を書いたコピーをIVUS使用症例のすべてに添付し、
PCI前後やCAGの画像をすべて添付するようにして半年ほどで審査の先生から“先
生のところのIVUSは基本的に認めます”との回答を得ました。
だから、僕が○○先生の立場だったら、○○先生の自施設のデータ、これまでの
CRUISEなどのデータ、症例の画像を添付して再審査に持っていって抗議して、そ
れでもダメだったら裁判をすると脅しをかける(?)と思います。
なぜならIVUSの使用は国が認めているわけでそれを認めないということは潜在的
な不利益を患者さんに与えているわけです。不当な不利益を患者さんに与えるこ
とを保険審査側が一方的にしているならそれは裁判して負けるはずがないと思い
ます。
ただし、ただし、これは鎌倉の斉藤滋先生との話でも出たのですが、何でもかん
でもIVUS、IVUSというのはおかしいのではないか、と言われるのは当然ですし、
IVUSを使用して総コストがバランスを崩して上がるのは到底容認できない話だと
思います。だから、IVUSを使う僕らは IVUSを使ってコストを減らすとか同程度
のコストでよりよい成績を出すってことを常に考えなくてはならないと思います。

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○○です。

○○先生は写真の添付や何もかもの手段を使って
の努力を当初からされています。こんなことまでするんだ!位に。
九州の先生方は良く御承知と思います。
(訴訟とさすがに面会はまだしていない様ですが...)

内情を御存知の方はお分かりだろうと思いますが
単にIVUSの問題じゃないのです。昔は、ターゲットはQ市のNew-K病院(当時はK病院)
でした。ねえ○○さん

ということで、以前米国の医療経済学者さんをお呼びした時に
言っておられましたが、厚生省や保険機構は明確な判断基準など
実は何もなしにやってきたとのことです。
また同時にこれから根拠を持って医療の改革をするならば
厚生省はいままでの自分のしてきたことを悉く否定しなければならない
のです。よって彼は日本の医療改革は出来っこない、と言ってました。
山一証券のようにある日、突然その日は訪れるだろう、と言ってました。
となると今までの山の様な前例より、医療界にも外圧が来ますかね?

そういうことで、○○先生、敢てこう考えては如何でしょうか?

先生はPCIの腕は抜群です。Majorでも15勝出来ます。
患者さんにも看護婦さんにも受けがいい、優しい先生です。
Majorでも確実に40セーブいきます。
だから病院からの評価も高い!(当たり前!!)
自分は一応、目は肥えていると思ってますが、
先生のPCIを見てマジで感動したのを覚えています。

今、レセプト削られてちょっと損してるのは病院です。先生じゃない。
風は逆風ですが、先生に吹いている訳じゃない。
Major級のプレーヤーが球団経営で悩むなんて、おてんと様に
申し訳ないじゃないですか?
きっと神様は味方についていますから、ガンガンやりましょう!
(でも死なないでね。”お土産は笑顔でいいのおとうさん”ですから)
それで、お金云々は事務方に作戦を練ってもらって...例えば.....

因に僕達福岡ダイエーホークスファンは最近経営状態には耳をつむる
様にしております。

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