*****************************************
○○です。

> それはclopidogrelのことです。
> ステントの後療法としての有用性について、
> 最近ではCLASSICSというstudyで述べてあります(Circulation 2000;102:624-629)。

これが俗に”スーパーパナルジン”と呼ばれているものでしょうね。
いろいろパナルジンに関する情報ありがとうございました。

さて、stentによるSAT予防として初期の頃(P−Sの時代)からワーファリンが使用
され、その後パナルジンへと移行しました。(1996年頃だったかなあ)
私も、言われるがままのプロトコールに従い、それが当たり前のようにワーファリン、
パナルジンと投与してきました。
しかし、現実にうちはstentを入れた後からパナルジンを開始しますが、最初の3日
間は効果がないと言われています。でも、その間特にACは起こっていません。
当院でACは今まで3例(緊急、待機含めて900例ぐらいのうち)経験していますが、
すべてAMI症例です。その3例はフラップをステントで押さえきれていなかったか
らACになったと理解しています。
だから、Elective PTCAでステントを入れて、それがACになるなんて、頭の片隅にも
ありません。

勉強不足でレベルの低い質問かもしれませんが、Elective PTCAに限定しても”アス
ピリン(バイアスピリン)だけ”では明らかにSAT率が上がるのしょうか。そのよう
な”最近”のデータなどあるのでしょうか。”最近”というのは、”stentがどんど
ん改良された後の”という意味です。
実感としては、Elective PTCAならアスピリン単独でもそんなにACは起こらないので
はないかという気がしてならないのです。
バイアスピリンは日本で認可されたばっかりですが、腸溶錠なので副作用が少ないと
聞いています。

アスピリンだけで粘った最近の論文の存在を誰かしりませんか?
(あるいは、REOPROの論文などで対象群としてアスピリン単独例などが使われていな
いのだろうか?  あっ、バイアスピリンのバイエルに聞けば、論文持っているかも
ね)

○○先生のようなプロコトールに従い、術前1〜2週間前から薬剤を投与して十分に
効かせておいてからPTCAを行い、そのSAT率、再狭窄率などを調べた論文はたくさん
あるようですね。しかし、このnetの中の先生方の施設では、ステント後からバファ
リンやパナルジンを投与開始している施設も少なくないと思います。そのようなプロ
コトールに従った論文があれば、もっと現実的だと思うのですが・・・・・・

*****************************************

○○です。
 ○○先生のご意見はもっともです。つまりパナルジンの作用が現れている証拠で
す。小生はCTO以外でガイドワイヤー穿孔の経験はありませんが、CTOでは術前パナル
ジン投与の状況で止血できなかったり、ドレナージが必要であったことはありませ
ん。CTOで無い場合、術前に投与を開始しているのであれば、そのことを十分に念頭にお
いた、穿孔しないガイドワイヤー操作をうまくする必要がありましょう。
パナルジン術前投与の効果は皮肉にも穿刺点の止血が時に困難であるという事実で
確認されます。小生はこちらの方が問題かと考えています。ご承知の通り、TRIでの穿
刺血管の閉塞を防ぐには軽く短時間で圧迫することですが、術前投与を行っている
と強く長くが必要になることがあります。結果的に様様な問題が生じます。それ
でも当院で、いまのところ術前投与を続けているのは日帰りPTCAをするからです。パ
ナルジンの薬理動態では投与初期数日では効果がなく、PTCAの出来具合がexcellentで
あっても、やはり日帰りPTCAでは不安が残るのです。

*****************************************

○○です。
最近PITしています。昨日、RCA血栓3?にPIT UK 24万で血栓<5?となり、バルーン
で押さえた後ステントいれたらno flowとなってしまいました。バルーンまでは調子
よかったのですが、ステントを入れたとたんです(NIR 4.0*25 12気圧)。AMI
でpredilatationまでよくてstentのとたんというのが3例目なのですがどういうこと
がおきているのでしょうか?どうすればよいのでしょうか?

*****************************************

○○です。

私は血小板の専門ではないので詳細は知りませんが、
アスピリン耐性、即ちアスピリンが無効の患者が存在するので、
アスピリン単独の抗血小板療法の臨床試験はリスクがあるのではと思います。
記憶は定かではありませんが、確か1割とか2割の単位で存在したのではないかと思い
ます。

また、パナルジン単独の試験も、
p450を介した薬剤と競合し(例えばリピトールやリポバス。メバロチンは水溶性です
ので競合しません。)、
その血小板凝集抑制作用が低下する可能性があり、危険性があるのではと思います。

アスピリン耐性の出現頻度についてどなたかご存知の方はいらっしゃいますか?

*****************************************

○○です。

ACSに対するprovisional stentingで、stent後にno-reflowやslow flowになる例は当
院でも経験があります。最近論文を調べてみたら、5%前後の比率のようでした。な
にが起こっているかはよく解りません。起こったら、以前はワソラン少量、最近はシ
グマート少量の冠注+点滴か、程度がひどければIABPとしています。

当院ではACSの30〜40%くらいにdirect stentを行っています。最近その成績を調べ
てみたら、no reflowやslow flowがprovisonal stentingに比べてかなり少なく、CPK
上昇も少ない傾向がみられました。論文では、predilatationが原因のような記載も
あるようです。ballooningの時にプラークの中身の一部が出てくるのかな?(私は
「饅頭のアンコがはみ出してくる」というイメージを持っています)。

*****************************************

○○先生。早速のレスありがとうございます。
論文教えてください。でも、何故ステント後なのかが理解できない。饅頭の中身がでてく
るならバルーンの方がでてきやすい様な気がします。高圧かけるからでしょうか?

○○先生、確かにPITは血栓の処理は楽でした(ASOで足が全く触れなくてTRIでした。
6FZumaは全くストレスなくいきました)。でも後のslow flowは一緒でした。この頻
度が減りますか?

*****************************************

○○です。

RCAはいつも苦労します。特に、referernceが4mmもあれば、拡張前に心の中でお
祈りをしてから、おもむろに2気圧と宣言します。しかし、PIT-PTCRをするようになっ
てからは、 泥沼状態になったことはありません。

○○先生の症例では、PIT後の血栓像はどうでしたか?当院では、proUK 1/2量使
用後、血栓があればさらに1/4量を追加PITしています。それでも多量残っていれば、
rescueを考えます。PIT後のrescueは2例行い、ともに血栓が消失しています。

血栓がなくてもバルーン拡張後、ステント植え込み後と拡げるたびに、アテロー
マが飛びます。そのたびにslow flow, ショックになることがあります。アテローマ
塞栓はポンピングでしのぐしかないと思います。

脂肪塞栓対策にいい方法があったら教えてください。こういうときは、direct
stentingの方が飛ぶのが1回ですむのでは?と思いますがみなさんいかがでしょう。
それとも小出しにとばした方がよいのでしょうか、それとも飛ばさないように小さめ
の拡張にしといた方がよいのでしょうか。tra-netのみなさん、良い知恵があったら
教えてください。

*****************************************

79歳 DM男性でUKを使いました。24万単位の時点でほとんど血栓がなくなっていた
(5ミリ未満)ので、これ以上UKを使いたくなくて(放置状態DMで目も心配だった)、
3.5ミリlong balloonで押さえました。rescueするほどの血栓量ではありませんでし
たし、GCは 6Fでした。バルーンで血栓が一応処理できた状態でNIR4.0に行きました。
ステントは大きすぎではないと思います(proxは4ミリ超、distalは3.7ミリ位)。
3.5ミリステントがよかったのでしょうか?でも3.5ミリステントを入れても、結局4ミリ
バルーンpostして同じ事のような気がします。今回は両側大腿動脈が触れないので、
IABPも入れられず、DOAとポンピングとtemporaryでしのぎました。今日は元気です。
ACSは小さめステントがいいと言う話はないでしょう。
工夫点があれば教えてください。

*****************************************

これから○○で何かが起こると察知した私は
いてもたってもおれず南軍を率いる○○先生を○○病院に見舞った。
見舞うとは烏滸がましい。尊攘を夢見る竜馬が海舟を訪ねる。
はたまた下克上を志す秀吉が信長に下るとの表現が似つかわしい。
時は平成13年3月。寒が戻るとはこのことをいうのか、
維新の風が吹き荒れるだろうことを想像させるのに充分との思いで
○○に乗り南下した。
○○特有の切り立ち霧に濡れる山嶺はまるで桶狭間である。
はたまた田園にひろがる住宅地は思いがけず平和過ぎる。
…戦線はどこまで北上したのか?
“手首からやって下さい。”と○○市から
患者がやってくるらしい。pureなニーズという正義がそこにはある。
ちょっとした思想の違いは即ち自らの首をも俎上に上げることを意味する。
私が心得るストレス以上のものであろう。
現に俄に兵糧攻めが始まったらしい。
強烈な逆風の中、低く構えたその優しい視線から思考を逸脱させない。
しかもいつもにこにこしているからこそ、
両翼の下にはいつの間にか同志が集まって来る。
然るにやがてfollowの風が吹き始めることになるであろう。
この比類なきカリスマはそうは見当たらない。
私にとってはヒーローそのものである。
白昼夢から我に帰るとあっという間の15分。
距離にして40Km程であろうか。こんな至近距離で急峻な右肩上がりの
成功をおさめている。ただただ頭が下がる思いである。

○○とは○○病院最寄りのJR駅である。
このat homeな地名にはなにか歴史的な匂いがした。
その昔百姓一揆でも起こったことを彷佛させる。歴史は繰り返される
と考えているのは私だけであろうか。○○病院のほうが
敵は驚異を感じたに違いない。
さらに国道を歩くこと5分で“○○城”に到着した。
池の上に建っている。これでは兵糧攻めに遭いやすい。
早速○○先生と面会を許してもらった。
カテ着に長い白衣。歩くスピードが速い。行動的である。
私も短距離には自信がある。足の回転が足の短さをカバーする。
しかしそれを軽く凌駕している。そのこころは?股関節の角度にあった。
で足早に城内を案内してもらった。
何と1階にICU,CCU,ope室,救外,カテ室,放科があり1階のみでall in oneである。
緊急時エレベーター待ちにやきもきすることはないと言う。
その他1階の待ち合い室は、○○床の病院とは思えない程広大である。
“やー今日も午前中Drs'carに乗ってAMI,shockを連れてきてPTCAしたよー”
“先生がわざわざ乗って行かなくても、下の先生に行ってもらえばいいじゃないですか”
“blind IABPが出来る医者の方がいいからねー”
…とても嬉しそうである。世の中土曜日はお休みなのにである。

カテ道場には嶮者が蹲踞している。土曜の午後からCAG/PTCA6例やるとのことである。
カテ日記を見るとむしろ少ない方である。
“昨日は午後から9例して夜の7時までかかったよ-”…やはり嬉しそうである。
カテはできるだけ下の先生にしてもらうとの方針らしい。
1例目は○○でCABGを勧められ逃れてここを訪れたらしい。
結果は複雑なLMTDでありやはりopeとなるであろう。
○○の2nd opinionであるとは凄すぎる。
2例目は5Frで右のAMにPOBA,#2にdirect stent。IVUSで覗いてoptimalであった。
土曜の午後なのにさっさと終わらせようとは考えないものか?
忙しいにも関わらず丁寧なのである。
兵糧攻め(社保が切られやすい)のリスクを背負いながらである。
私も蹲踞させられた。“せっかくきたのに暇でしょ”。
カテの構築そのものが違う他の道場で剣ならずカテを振るうのは
緊張するものである。#1:100%、充分なcollateralがありadhocかと
思いきや審判のそれまで!であえなく一本負けした。
その他男性の大動脈炎疑いや、CABG後狭心症などPTCAになるであろう患者が
ゴロゴロしているとの印象を得た。
楽しい時間というものは過ぎ去るのが早い。あっけなくtime outとなり
帰途につくこととなった。

芸術家は長生きすると言われる。これが仕事であるとの割り切りより
あたかも趣味を楽しむおもむきが○○先生にはある。
2.24二次会で“忙しすぎて早死にしますよ”などと心配する声があったが、
ピアニストや陶芸家と同じく、interventionというアートに生きる限り
○○先生は長くそして強く生き抜くであろう。

ここまで読んできた者は暇であろうから、ジョークも充分に聞き受けることを祈念する。
*****************************************
○○です。
○○先生の視点はPCIをする医師がもっと取り組んでよい問題ではない
でしょうか。一時、当院でも血液内科の医師が血小板凝集能を調べていた時期が
あって、そのデータからは約10%前後の患者ではアスピリンを飲んでも血小板凝集能
は少なくともin vitroではまったく抑制されていないということです。しかしこれが
in vivoでも効いていないのかどうかは不明だとのことです。
 この血液内科の医師は白血病が専門でその後この血小板凝集についての追求は立
ち消えになっていますが、現実に我々は血小板凝集能を測定してはいないわけです
が、どのように考えればよいのでしょうかね。我々は今までアスピリンやチクロピジン
の大規模試験のデータを参考にしたプロトコールでやってきていて、個々の患者の血
小板凝集能を検討して薬剤を調整しているわけではないわけです。どなたか教えてく
ださい。

*****************************************

○○です。

私は血小板の専門ではないので詳細は知りませんが、
アスピリン耐性、即ちアスピリンが無効の患者が存在するので、
アスピリン単独の抗血小板療法の臨床試験はリスクがあるのではと思います。
記憶は定かではありませんが、確か1割とか2割の単位で存在したのではないかと思
います。また、パナルジン単独の試験も、
p450を介した薬剤と競合し(例えばリピトールやリポバス。メバロチンは水溶性で
すので競合しません。)、
その血小板凝集抑制作用が低下する可能性があり、危険性があるのではと思いま
す。

アスピリン耐性の出現頻度についてどなたかご存知の方はいらっしゃいますか?

*****************************************

○○です。
最も良い方法かどうかはわかりませんが、そのステントサイズを
決定する方法として、IVUSを多用しています。
3.5mmと思っても4.5mmくらいあったり、ジャストサイズであったりと
様々です。
AMIは本来の血管径を決定するのは非常に難しく、こういうときこそ
IVUSと思っています。
特にIVUSでソフトプラーク+血栓の存在が多量に認められたり、
多量のローデンスティーをみとめるときには
ステント留置をしないとか、アンダーサイズバルーンでフローを確保し
へパリンをきかせた後に(1日たってから)ステント留置をすれば特に問題は
ありません。
本当にIVUSが役にたつのはAMIにdirect-stennting可能かどうかのときと思っていま
す。
皆さん困った時のIVUSほど多くの情報をもたらすもとと感じていますがいかがでしょ
うか!

*****************************************
○○です。

○○先生、○○先生、○○先生のおっしゃる通りだと思います。現在のところ、はっきりとしたEvidenceなしに、治療しているわけです。
実は私は昔大学院で「虚血性心疾患と血球成分いろいろ」をやってたんですが、この分野が全く遅れている、難しくて、単純(?)な理由があります。つまり『血球成分は患者の体内から対外に採血され、分離されるときにいまだかつて経験したことのない程の活性化(刺激)をうけ全くキャラがかわっている可能性がある』ということです。
いくらin vivoに近い状況でもこの可能性は全くクリアーできないわけで、そういう意味では現在出ている論文はすべて条件付なんです。全く僕が大学院で研究していたときのレベルから代っていません(DNAだなんだという前にそういう基礎的な現象をおさえるべきだと思います)。
もちろん僕はそのフィールドからは降りてしまったのですが、臨床家から逆に何らかのEvidenceが提示されれば、それはすごいことだと思います。

*****************************************

はじめまして
○○病院 研修医の○○といいます。
現在○○先生のもとで循環器やカテのことを勉強中です。
○○先生のよき手足となれるよう、日々励んでいます・・
TRAnetのことは、○○先生から伺って
今回入会を希望しました。
どうぞよろしくお願いいたします。

*****************************************

○○です。

アスピリン単独とアスピリン+チクロピジン併用とでのPTCA後、ステント後の
比較の文献を手に入れて読んでみました。
Results of a consecutive series of patients receiving only antiplatelet
therapy after optimized stent implantation:Circulation March 4,1997
SATはどちらも1.9%で、副作用は単独で0%、併用で1.9%(そのうち顆粒球減少
が0.6%)とありました。
バイエルは副作用のないぶん、アスピリン単独(といっても術前から325mgも飲ませ
ている)の勝ちだと言っていましたが、アスピリンが効かない人もいるなど、みなさ
んの意見を聞いていると、併用するのも”保険をかける”意味で必要かなという気も
します。
それならば、シコシコ外来で採血をするようにしましよう。

明日からACCですが、向こうのブースで面白いものがあったら、後日紹介
します。

*****************************************

○○です。

第一製薬のMRから、パナルジンの副作用に関する厚生省に提出した平成11年-12
年の日本のデータを教えてもらいましたので、流します。

TTP 報告数 全処方数の0.0027% 死亡 0.00048%
無顆粒球症 報告数 0.0066% 死亡 0.00096%
肝障害 報告数 0.018% 死亡 0.0011%
処方症例数は、パナルジンの売上から試算したとのことでした。

いずれも極めてまれな合併症なのですが、昨年の緊急安全情報が出た後の1年間の死
亡報告が減らなかったということで、対策として、頻回の検査を義務ずけることが厚
生省より指導されたとのことでした。

当院では、emergent PCIには、プレタール、electiveには、パナルジンという使い分
けをしていましたが、先日の、プレタールは、コイルステント(GFX)でSATを起こすこ
とがあるという○○先生のメールを見て、当院のSATの経験は、S670+プレタールであ
ることを思い出しました。なぜ、プレタールは、コイルステントに弱いのでしょうか

*****************************************

○○です。

プレタールがコイルステントに弱い理由の本当のところは知りませんが、
単純にプレタールの抗血小板作用がパナルジンほど強くないのではと思います。
コイルステントは石灰化病変や屈曲病変など条件の悪いところに使われることが多
く、プラークのプロラプスも起きやすく、そもそもSATを起こしやすい条件下にありま
す。そういう条件下で抗血小板作用の弱い薬を使えばSATが起きても当然だと思います。

そもそもプレタール200mg/dayの投与量そのものがどうやって決められたのでしょう
か?御存知の方はいらっしゃいますか?
パナルジンが200mgだからプレタールも200mgといったようなところではないでしょう
か?パナルジン200mgの投与量も、欧米に比べるとかなり少なく、
(その少ない投与量を基準としてと決められた?)プレタール200mg/dayが
スタンダードとして使用されていることはかなり危険かと思います。

*****************************************

○○です。

ACCのブースで一番興味をそそられたのは、Filter Wireでした。
014のPTCA用ワイヤーの先端から5cmぐらいのところに”うつぼかづら”のような袋
(フィルター)が取り付けてあります。これは、トランジットのような筒と組み合わ
せて使用します。

例えばAMIの時、最初筒にフィルターを収納したまま、先端のワイヤーでセレクショ
ンしながら、ワイヤーと筒の両方とも病変部を通過させ、病変部の先で筒からフィル
ターを出します。その後、筒をモノレールバルーンかステントと入れ替えて、病変部
位を拡張すれば、末梢に飛ぶアテローマや血栓をフィルターがキャッチするという構
造です。キャッチした後は、再び筒に入れ替えて、その中にフィルターごと回収でき
ると言っていました。

これは使えます。何と言っても一番いいのは、今の手技をほとんど変えずに(6Fr.で)
施行できる点です。Rescueなどとは比べ物にならないくらい流行ると思います。
もちろん、Rescueのような血栓ドロドロの症例ではなく、あくまでも拡張時のDistal
 emboliの軽減が目的ですが、AMIで本管はきれいに開通したのに、Distal emboli
のためST上昇が遷延し、結局心筋のサルベージが思うようにいかない症例はみなさ
んも経験あるでしょう。これを使うと慢性期の心機能が良くなるかもしれません。
もし効果があるのなら、ACSのPCIの時には、全例このワイヤーを使用するようになる
でしょう。

“なんとか”という小さな会社が開発したのですが、すでに会社ごとボストンに買収
されていました。ボストンはcutting balloonの会社も買収したそうですね。
もし日本で使用できるようになったら、私はバンバン試してみるつもりです。

*****************************************

○○です。
Filter Wireの件ですが、去年のCCICで
ドイツの先生が内頚動脈の拡張に使ってました。
確かにAMIなんかには有効だと思います。

*****************************************

○○です。

ACCの中での症例検討には○○病院の○○先生もプレゼンテーター、コメンテー
ターとして参加されていました。その中で、”ローターはバルーンで広がらない病変
のみに有効で、それ以外は有効でない”と発言され、他のコメンテーターも意見は同
じでした。司会者が、”この1年間でローター症例が減少した施設は?”と質問した
ところ、コメンテーター全員が手を上げました。どうも、ローターの評価は決まった
ようですね。
CTOに対する討論では、”バルーンを進ませて先端造影をするべき”などという初歩
的な討論が行われていました。

私が見たライブはスタンフォードのものでしたが、オペレーター、スタッフのほとん
どが中国人系で占められているのには驚きました。ライブでも討論がほとんどで、何
をするかが決まれば、あとの手技には特に目新しいものはありませんでした。

*****************************************