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みなさんはじめまして。
このたび仲間に入れていただいてありがとうございます。
先日、○○先生が遊びに来て、tra-netの事を教えてくれました。
○○は、病院の医療圏としては20万人位をカバーしています。症例は多いと思うのですが、まだまだ、啓蒙不足なのでしょう。4月からで、診断カテ 120例。PTCA 30例程度です。でも、ギリギリです。何しろスタッフがいません。カテは3年目の先生と2人でやってます。すなわち、穿刺からセットアップから圧迫までやってます。正直大変です。まだ余裕がなくTRIは1例のみしかしていません。足から7Fまたは8FでOWTでやってます。”立ち上げ時期は、事故なく初期成功を得ることだ”と考えて、患者さんには我慢してもらっています。でも、診断カテは、橈骨からしていますが、評判よいです。TRIはその先の先だと思いますが、みなさんよろしくお願いします。ということで、いろいろ教えてください。
○○は魚がうまいです。みなさん遊びに来てください。

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大津であった”TRIかTFIか”のセッションについて印象に残った事を述べます。

(1)○○先生が示されたデータの中で示された、PTCA症例数の少ない施設
(年間200例以下)はTRIの比率が高く、500例以上はTRIの比率が極端に
少ない、という事実について。

○○先生の解説では、”たくさん症例をこなしている施設のチーフはTRIをやりた
がらないからだ”ということでした。すなわち、”老舗の病院はチーフの年齢が高く、
頭が堅いのでTRIをやりたがらない”ということを言いたかったのだと思います。
私は、これは当たっていると思いますし、その他にも以下の理由もあるでしょう。
1,○○先生は、”TRIはスタンドプレーだ”と言われましたが、少しは当たっ
ているでしょう。症例の少ない施設が周りと差別化を図るために積極的にTRIを導
入してゆくことはあると思います。
2,TFI派は”手技の途中でローターが必要になった時など、すぐに8Fに入れ替
えることができる”と言いますが、そもそも前もってカンファランスでローターをす
るかどうかは決まっているはずです。万が一病変が硬くてローターが必要になっても、
ローターが使えない施設はどうしようもありません。すなわち、年間200例以下の
大多数の施設においてローターが必要な症例は初めから他施設に紹介してあり、自分
たちでPTCAをするということは、99%バルーン又はstentで終わらせる気でい
るので、全例6Fで可能です。 だから、”手技の途中でローターが必要になった時
など、すぐに8Fに入れ替えることができる”という指摘は年間200例以下の施設
にとっては、”馬の耳に念仏”、”猫に小判”状態です。
現在、全国でPTCAを行っている施設は500ぐらいと言われていますが、ローター
ができるのは、ボストンに聞いたところ現在110-130程度だそうで、ローターが出来
ない施設が圧倒的に多いのです。

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(2)○○先生が示された都道府県別TRIランキングについて
○○先生は、まず1999年の全PTCAに対するTRIの比率について、16.?%(?
はちょっと忘れました。1998年は16.9%)と示され、その後都道府県別のランキング
を出しました。九州関連では、30%以上と最もTRIが多いグループに○○県と大○○県が入っていました。
○○県は○○先生や○○先生をはじめTRIに理解の有る先生が多くおられ、○○病院や○○病院などほとんどの病院でTRIをされているときいていますので(九州で1番のTRI先進県と思っています)、なるほどと思いましたが、なぜ○○県が入っているのでしょう?
逆に、TRIをほとんどやっていない県として、宮崎県、鹿児島県、沖縄県が示され
ました。○○先生、どう?
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(4)若い先生たちの教育にはTFI(TFA)が必要という点について
我々世代は、当然のようにTFAを先輩達に教わってきました。
このメールを読まれている先生方も最低でも何百例とTFAをされ、”目をつぶって”
でもA,Vの両シースを入れることが可能かと思います。
しかし最近のシステムでは、若い先生たちに、TFAの経験がほとんどないの
にTRAをさせることになっています。1年間で1人に200例ほどのTRA(マル
チパーパス)による造影をさせると、そこそこは出来るようになりまが、カテが合わ
ないときに出すジャドキンスが(数が少ないため)いつまでたってもうまくなりませ
ん。もちろん”目をつぶって”FからA,Vシースを入れ、素早くジャドキンスで造
影するという術者にとっては基本的な手技もできません。
私が目指している(当院の若い先生達に要求している)ものは、”TRAができる医
者”ではなくて、”F,B、Rのどこからでも同じように造影、インターベンション
ができる医者”です。そういう意味では、彼らに症例の何分の一かはFからさせるこ
とも必要と考えるようになりました。
”教育的にはTFAが必要だ”という意見は、若い先生を育てないといけない大病院
(研修指定病院)などでは当然のことと思えるようになりました。
当院のシステムも少しは変更しなければならないでしょう。
○○先生のところも若い先生がたくさんいると思いますが、教育のためのTFAとT
RAをどのように両立されていますか。また、TRAとTFAの病棟での混在につい
てもぜひコメント下さい。

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私の病院はやはり1年おきに新人がやってきて
ほとんど心臓カテーテル検査の素人ですから
冠動脈造影をradial approachでするのは、彼等の
機会を当面奪うことになり、教育という面では
非常にやりにくいです。加えて上司がtransradialに
理解を示していないと尚更です。
大病院じゃなくても症例数が余り多くない施設でも
大学の流れに入っていればこのようなことは
多いんじゃないでしょうか?
○○県の若いDrでradialが好きだ!
radialがしたい!radialを覚えたい!というのは
かなり少数です。少なくとも色んな抵抗をはねのけて
までradial(ルーチンでも)を!というのはまず
いません。

きっと○○県など大学の意向が強いところはそうでしょう。
だからいくら患者の負担が軽かろうと、スタッフが楽だろうと
保守的な考えを持った医局(上司)がいて、その監視下にある場合
radialを広めるのは、よっぽどのはみだし者か、へそまがりか
または患者、スタッフの声が大きいか(都会では可能)でしょう。

因にここ○○ではTRIとTFIが同室でも医者には疑問や不満の声は聞こえません。
都会では別でしょうが、田舎の方はそのような自己主張は得意ではありません。
これは実は恐いことだと思ってます。だって僕はずっと○○にいるわけではない
から、この感じに浸っちゃうと、患者さんは何も言わないのが
当たり前と思ってしまいますから...

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まずインターベンション学会のロータは必要かというdebateですが
はっきり言って茶番劇みたいでした。
ロータ派と反ロータ派という図式のようですがどちらの施設もロータが
できるのだと思いますが、言ってることはロータは必要であるということでした。
もちろんロータが必要でないという乱暴な議論にはなるはずもなく、症例によっては
必要になるというような内容だと思います。もちろんロータが現在行えない施設でも
インターベンションは行っているわけで、なくてもそれほど困ることはなく、当院でも
ロータでないとできないと言うような症例は2年半程の間でも数えるほどしかありません。
ただバルーン不通過例やバルーン拡張不能例では大いに効果があります。

TRIかTFIの件ですが、当院も5人位のスタッフは2年毎位、大学の研究室からでたばかり
の状態でローテートしてきます。
やはり赴任直後はまずTFAで慣れてもらってから、TRAの方に移行していきます。
それはIABPやPCPSを入れることもあるのでTFAに慣れていたほうがよいと思うからでも
あります。TRAは最初Judkinsを使用し、慣れればmultipourposeに変えていきますが
術者の好みにまかせています。
当院ではTFAでいくかTRAでいくかは術者の判断に任せていますが、おそらくインターベンション
のフォローアップのカテは可能なかぎりTRAでやっているのが現状です。初回のカテも最近
の多くのケースではTRAとなっています。
逆にインターベンションは原則的にTFIで行っています。その一つの理由としては、もうしわけないけれど、止血をしてくれる若いスタッフが沢山いることがあげられます。またインターベンションの半数以上が緊急で行っており、経験の浅い術者でもやりやすいTFAを行うことが多いのです。
僕自身TRIかTFIということにはこだわってないので、どこからでもできるような柔軟性をもつために、この集まりに参加させてもらってます。
一つの施設でTRIとTFIがあるのはまずいということですけど、田舎のひとはあまり気にしてはないようです(老人が多い。また当院のインターベンションの半数以上は心筋梗塞・不安定狭心症などの急患に施行しているので、患者さんが考える暇がない)。
ただ少しずつTRIが増えているので、待機症例においては口コミで希望する人が増えてくるかもしれません。もちろんその時は患者の選択する方法で行うことになるでしょう(可能であれば)。

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色々、おもしろく拝見しています。私個人は、自身の手技の習熟度、人的問題(アシ
ストが3年目の研修医:パンクチャー、ペーシングカテもおぼつかない)あり、患者
さんには申し訳ないですが、7F TFIしてます。診断カテも、教育もあり半々ですが、
田舎のためか同室でも今のところ苦情はないようです。でも、橈骨アプローチは評判
よいです。

みなさんのご意見を伺いたい症例がありました教えてください。

63歳男。平成12年5月24日発症Ant MI。急性期PTCA to #7 prox. でS670 3.0x15 をお
いた(近位部に石灰化ありMLを入れる気がしなかった)のですが、Hazziness著明で、
stent in stentでML3.0後 Metoroで20気圧拡張。気になったので(原則的にMI慢性期
カテは3-6ヶ月後にするようにしています)、10日後にカテすると、とってもきれい
になっていました。6月20日パナルジン中止したところ、6月30日また同じ場所が詰まっ
てやってきました。今日も、Balloonのみでは、hazzinessとれず、また中にMLいれて、
20気圧拡張しました。
stent in stent なので、内膜化がおそいのに、パナルジンを中止したので、閉塞し
ちゃったのでしょうか。stent in stentした場合、パナルジンの投与期間を変えてい
ますか?ステント後4週以上経て こんな事 ありますか。ステント3つ重なってしまっ
て、どうしましょう?次にこうなったら、4つめ入れるのでしょうか。教えてくださ
い。

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○○先生も大変みたいですね。(ワシは明日から夏休みで沖縄に行って来ます。ウシシ)

うちはステント留置後一ヶ月でTOTALになって救急車で運ばれてきたのは現在まで二症例(NIR, S670)ですね。いずれもbailoutには成功していますが、結局慢性期にはCABGに回っています。
こないだはLADにS670三本入れたのが、三日後にSATで救急車で運ばれてきました。この人は結局bailoutできず、心筋梗塞も出来上がってしまいました。いずれもパナルジンはきちんと使用していた患者さんです。
SATは、「心にぐさり」ときますね。特に、変なBRANCHにも手をつけたばかりに、ゲロゲロになって、ステントをぼこぼこいれて、、、、。と言った症例には、起こりやすいですね(当然!すんません)
STENT IN STENTは二本までしかありません。四本はさすがに勇気が要ります。早めに確認造影してOPEにまわしたほうが良いのでは。
くどいようですが、明日から家族で沖縄に行って来ます。来週の月曜日までリゾート地のサンサンとした太陽を浴びてきます。(tra-netの皆さんはカテで放射線を浴びてください)。それではまた来週!

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ところでstent後1ヶ月でのSATは驚きですが、確か病理での検討
(大阪市大の上田先生)ではstent1ヶ月後は新生内膜と同時に
術後発生した血栓も残存付着している時期ではないかと思います。
○○先生の患者様の場合、先に入れたs670は血管には
多分良いことは何一つしていなくて後のMLが先にgfxがある分
suboptimalにしか成り得ず、結局こうなっちゃったんだ
と思います。それでも早期再狭窄はまだしも血栓性閉塞
は辛かったですね。
今度eventが起こったらOPCABですか?
色々意見はありますが、s670はIVUSで見るとplaque prolapseが
やっぱりあるそうです。gfx stentは以前工学関係の人から
<gfxを使うなんて考えられない!>と言われる程、stentデザイン
に知恵がない(と言っていた)ステントで、マイナーチェンジをしたところで
飛躍的な進化は望めないのでは?と思ったりしてます。
(でも結構使ってたりして...)
それと、怒られるかもしれませんが
今以前植え込んだTerumo stentのfollowが帰ってきてるのですが
思ったより遥かに再狭窄率が低い様に思います。
あのステントは植え込み時に突き刺さるように拡張し
想像するだけでゾッとしてましたが、再狭窄のプロセスには
余り影響しないのでしょうか?
今度またあっち関係の人とステントについて話しをする機会があるので
面白い話がありましたら、またメールします。

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○○先生の症例に対する私の意見はちょっと違います。

まず、少々長くなりますが、私の持論を・・・・・
stentを入れてSATを起こすのは待機的PTCAではほとんどゼロで、あるとすれ
ばACSの時だと思います。(みなさんの施設でもおそらくそうでしょう)
当院でも待機的PTCAのSATはゼロですが、パナルジンはstentを入れた後から
投与開始しています。パナルジンは投与して3日経たないと効果はないと言われてい
ますので(そのためにつなぎとしてプレタールを3日間だけ投与する施設もあります)
SATがないということはパナルジンの投与の有無は、少なくとも最初の3日間は関
係ないということです。(ヘパリンの持続点滴などもしていません)

では、なぜACSの時だけSATが起きやすいのでしょうか。
昔は、
(1)ACSの時は血液の凝固系に以上があり血栓ができやすくなっている。
(2)stentという異物に血栓がつきやすい。
などど言われていました。しかし、(1)なら急性冠閉塞は冠動脈のどこにできても
良いのにやはり病変部に血栓ができる。(2)なら待機的stentでも同じ確率で起こ
るはず。 という理由で無理があると思います。
ところが、ここ数年ACSという概念が生まれ、AMIは50-75-90-99-100%と狭窄
が徐々に進行していくのよりも、soft plaqueが破けてそこに血栓が付き、一気に閉
塞してしまうことが多いということが(上田真喜子先生らの研究で)わかってきまし
た。すなわち、冠動脈の中に”まんじゅう”が出来、その”皮”がグチャグチャに破
けて中の”アンコ”が飛び出し一部は末梢に流れるが、その”アンコ”や破れた”ま
んじゅうの皮(フラップ)”に血栓が付き、ACSとなる・・・・・と私は理解して
います。

だから、ACSのPTCAをPOBAのみで施行しても、”破れた皮”がグチャグチャ
になって病変部付近にあるので、このフラップを押さえきれず、成績が悪いと思いま
す。フラップを押さえないと血栓が付く原因が取り除けないので、stentで押さえる
ほうが理にかなっています。

私の持論は、
1,待機的PTCAのdissectionは1本のstentで比較的簡単に押さえられる。(だ
からSATが少ない)
2,ACSのフラップはグチャグチャで、1本のstentで押さえきれないこともある。
3,SATを起こすかどうかは、血栓形成を誘発するフラップやdissectionを押さえ
きれたかどうかが問題であって、パナルジンはほとんど関係ない。
というものです。

この考えに従い、当院ではACSのstentingの時には、必ず10分間待つことにして
います。この10分の間にいままで6例のstent内モヤモヤ像が出てきました。この
6例には違う種類のstentを入れ(ダブルステント)ストラットをなるべく密にして、
フラップを押さえようとしました。この6例を含め、当院ではACSの時もSATは
この4年間ゼロです。

長くなりましたが、○○先生の症例に戻ります。
”Hazziness著明で”というのは、stentの広がりが悪かったという意味では無くて、
造影したが血管の外側がギザギザしていたという意味かと思います。私なら、”これ
ではフラップを押さえきれていない”と判断し、違う種類のstentをダブルステント
します。もちろん20気圧などの高圧はかけません(新たなdissectionを作りたくな
いから)。
しかし、10日後にきれいになっていたので、この時点ではフラップは押さえきれて
いたと判断しても良いと思います。
それなら、なぜ30日後にSATを起こしたのかと言われれば、”同じ場所が”とい
うのがちょっと気になりますが、これはstentの中が原因で起こった血栓だったので
しょうか? 例えば、stentのdistal edgeのdissectionが原因とは考えられません?
実際にシネを見ているわけではないので、何とも言えませんが、こ
のような疑問が残ります。
もし、仮に残存フラップがあったり、distal edgeのdissectionがあっても3個目の
ステントがそれを押さえていたら、大丈夫だと思います。
それでもまたSATが起きたら・・・・・・うーーーん、どうしよう?
これでは、答えになっていませんね。

最後ですが、私の持論は決して一般に認知されているものではありませんので、多く
の反論があると思いますが、好き勝手なことが言えるのがこのリストの良いところで
もありますので、悪しからず。

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○○先生ありがとうございました。

”Hazziness著明で”というのは、stentの広がりが悪かったという意味では無くて、
造影したが血管の外側がギザギザしていたという意味かと思います。
→その通りで、MLをs-i-sする前に、Photon 3.0で16気圧拡張し、直後はよいのに、
10分後にはモクモクと生えてきました。

それなら、なぜ30日後にSATを起こしたのかと言われれば、”同じ場所が”とい
うのがちょっと気になりますが、これはstentの中が原因で起こった血栓だったので
しょうか? 例えば、stentのdistal edgeのdissectionが原因とは考えられません?
実際にシネを見ているわけではないので、何とも言えませんが、私の持論に従えばこ
のような疑問が残ります。

→もちろんどこが詰まったかはわかりません。しかし、Balloonのみでステント内を
拡張した後、やはり直後はきれいなのに、数分後にはモクモクとまさに同じ場所にエ
イリアンが出現してきたのでした。

貴重なご意見ありがとうございました。一人でやってるんじゃないって気分になって
いいですね。

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ところでSATの件ですが、ACSの際にもflapの押さえ込みは有効で
balloonと比し良好なoutcomeが得られている1要素と思います。
しかし先の大阪市大の上田先生などはstentのストラットに血小板血栓
の形成が生じていると報告されていますから、少なくとも
ステント自体もthrombogeneticなものである、と思います。
ですからステント留置時はその易血栓性を凌駕するだけのMLDをとり、
抗血小板剤をのむ、ことが必要でしょう。
だからstent in stentはMLDがしっかりとれるか、メタルの比が高くなる
(大体1本14%だから2本で30%近く)の理由で僕はなかなか箸を付けません。
○○先生のところで良好な結果をだされているならば、先生お得意の
<色んな工夫>をされているが故と推察します。一体何を工夫してます?
教えて下さい。まあGP IIb/IIIa阻害剤が出ればこんな悩みも減るんでしょうね。

ところで○○先生!最近出番が少ない様ですが、余りに忙しくて
tra-netどころじゃないんじゃないですか?
大繁昌!

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> しかし先の大阪市大の上田先生などはstentのストラットに血小板血栓
> の形成が生じていると報告されていますから、少なくとも
> ステント自体もthrombogeneticなものである、と思います。
> ですからステント留置時はその易血栓性を凌駕するだけのMLDをとり、
> 抗血小板剤をのむ、ことが必要でしょう。

このように考えるのが、やはり一般的ですね。
私の持論はeccentricすぎます。

> だからstent in stentはMLDがしっかりとれるか、メタルの比が高くなる
> (大体1本14%だから2本で30%近く)の理由で僕はなかなか箸を付けません。
> ○○先生のところで良好な結果をだされているならば、先生お得意の
> <色んな工夫>をされているが故と推察します。一体何を工夫してます?

私の手技で、他院と違うといえば、やはり大きめのstentを入れることでしょうか。
昔は、”bigger is better”で大きめのMLDを取り、”蛇がカエルを飲み込んだ”
ような仕上がりを目指したと思いますが、私の症例は結構このような仕上がりになる
症例が多いと感じています。
具体的には、大きめのS670かNirSOXを使用して、大体12気圧までかけています。

> まあGP IIb/IIIa阻害剤が出ればこんな悩みも減るんでしょうね。

上田先生の説は、”stentに付いた血栓に端を発して炎症が起こり、それが内膜増殖
を惹起してstentの再狭窄をつくる”という仮説だと理解していますが、この理屈だ
とGP IIb/IIIa阻害剤(レオプロ)で初期の血栓を完全にブロックすれば、stentの再
狭窄は減少するはずです。しかし、あちらの論文でもレオプロはSAT予防に効果が
あるらしいですが、有意に再狭窄を減少させるというデータはあるのでしょうか?も
し知っている人がいたら教えて下さい。
stent再狭窄を有意に減少させることができる薬剤って、論文では、玉井先生グルー
プのリザベンと大阪成人病センターや帝京大グループのプレタールぐらいですかね?

> ところで○○先生!最近出番が少ない様ですが、余りに忙しくて
> tra-netどころじゃないんじゃないですか?
> 大繁昌!

そう言えば、この前○○先生との飲み会で、”うちは緊急でFを刺す時も剃毛はせず、
イソジン消毒のあとテガダームを貼り、その上からpunctureしている。感染のことを
言うのなら、剃毛したほうが感染しやすいというデータもある”ということを○○先生
が言われたのを期に、当院でもその後実践しています。
ただ、予定のTFA心カテ(EPSなど)は終了するとすぐにシース抜去して、数時
間後には圧迫もテガダームもはがしますが、IABP症例などで、数日間留置した場
合のテガダームの下の”蒸れ”などどうなのかな?という心配をしています。
○○先生、何日もテガダーム貼りっぱなしでも大丈夫?

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「バルーンにて改善しない血栓像をステントで押さえられるのはなぜでしょう?」
  
  一般的な考え方としては、血栓源になるフラップやはみ出したアテローマをステ
ントの外に閉じこめるということでしょうか。イメージ的には、病変に飛び出したフ
ラップの周りにできる乱流により、流れの遅いポケットができる。その部分に、亢進
した血栓形成により、フラップなどを核にして、雪だるま式に、血栓が育ってゆくと
言ったところでしょうか。それで、冠動脈内をステントでぺったんこにしてやると血
栓が出来る間もなく洗い流されるのだろうと考えています。ステントを入れても血栓
が育っていくようなときは、やはり、押さえきれていないなと感じます。経験的に、
わずかにhazzinessを感じるとき(ACSではルーチンに10〜15分待ちます。AMIではこ
の時間に適応があればスワンガンツを入れます。)、数分後にそれがわずかに隆起し
てくるような症例は大抵、次の時間から対数的に血栓が増加します。バルーンでもう
まく押さえられれば閉塞までの時間がやや長くなりますが、結局は同じことです。
(これで6時間粘ったことがあります。Wiktorだったかな?で押さえきれず当時出た
ばかりのMLstentを明け方に届けてもらい、これで押さえ一段落したことがあります。)
と言うことで、個人的には、ステント内ステントは、血栓の出来るところを含めその
上流をステンティングする様心がけています。確かにステント自体が血栓源になりま
す。
  フラップを押さえることに関しては、MLやNIRが有利ではないかと考えています。
また、洗い流すという意味では、slow flowや冠動脈の拡張性病変の部位では不利で
ある印象があります。

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ごぶさたしています。現在循環器部長なのですが、内科一般なのかよく解らない毎日
を過ごしています。6月1日より現在までPTCA21例施行しました。
血栓と言えば先日急性心筋梗塞RCS#1に対して、S6703.0×18mm留置後血栓性閉塞をく
り返し、IABP挿入しin-stent(テルモステント)にてboil outした症例があります。
翌日は全く問題なくなりました。(その時はもちろんテガダム2日間貼っぱなしでし
た。)
今後はこのような症例にPITを使用したいと考え思い準備しています。
その成果はいずれ発表します。最近思うのですが、新しいdeviceがでるたびに依然よ
かったものまで捨てている様な気がしています。その成果楽しみにして下さい。
現在右心カテでは全く剃毛せずに、テガダム貼る事なく行っています。感染で問題に
なる事はないのです。

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○○先生お久しぶりです。「剃毛なし」に興味があります。穿刺後の圧迫はいかが
されてますか?テープは使いませんか?テガダームを剥ぐときはどうでしょう。剃毛
しないで穿刺する事に関しては、看護サイドから強い抵抗がありますが、そこの所は
どうでしたか。教えてくださいませ。
○○先生、肘静脈からのスワンガンツに興味があります。第一報を楽しみにして
います。